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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2008.11.16作成
2010.10.5追記

KURANISHI RW-151D

☆周波数 非公開
☆測定レンジ 非公開
☆入力インピーダンス 非公開
☆指示誤差 非公開
☆挿入損失 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開

リグの説明

クラニシの終端型電力計で、50オームのダミーロードを内蔵しています。裏にM型入力コネクタとモニタ出力のBNCコネクタがあります。
写真のように、前面のメータと切り替えスイッチ、ダミーロード部と裏面、外周ケースに分かれます。
前面とダミーの配線2本はハンダ付けされているので、分解するには切り離す必要があります。

ダミーロード部を拡大してみました。
100オームの無誘導抵抗を2本並列に接続しています。長さ15cm、直径2cmくらいで、1本70W程度でしょうか。現在の市販品に同等のものはありません。
側面の鉄板がGNDで、カーブで高周波インピーダンスを補正します。カーブを固定するネジがポイントで、1台ずつ間隔を調整・固定していたのでしょう。ネジロックのペイントが塗られています。
下の抵抗の左端に高周波を検出するダイオードがあります。
前面はスイッチ裏の基板にメータ調整のボリュームが取り付けてあります。
レンジ毎にメータへ流れる電流を調整します。

較正

較正はAC100Vを利用し、スライダックで入力電圧を可変させながら行います。従来のパワーメータと同じ方法です。ダミーロードR(50オーム)に入力する電圧Vをマルチメータで読み取り、P=V*V/Rで算出します。
前後の特性を下のグラフに示しました。実線が測定値、点線が理論値です。
レンジ 較正前 較正後
5W
25W
150W
5W・25Wレンジは入力よりも多めに表示しました。いずれも誤差10%以内に収まっています。
150Wレンジは80Wまで正常ですが、100Wから少なく表示しはじめ、120W入力では112Wと表示されます。
5Wレンジは5W、25Wレンジは25W、150Wは80Wでメータを調整しました。

校正後、5Wレンジは2W以下で0.1W程度少なめに表示しますが、他はOKです。
25Wレンジは5-25Wの範囲で、誤差がほどんどありません。
150Wレンジは20-100WまでOKでしょう。100Wでは2Wくらい少なく表示します。(針1本くらい)
120W入力では表示は115W、少し誤差が出始めますが、これでも誤差5%です。
120W入力は、AC77.5Vに相当します。これ以上は必要なしと判断しました。

較正時の注意

ダミーロードは加わる電力で発熱します。連続運転すると、発熱でパワーが多めに表示されるので、ご注意下さい。
検出ダイオードの温度特性によるものと考えます。
私は、ダミー部にDC12Vのファン(PCの冷却ファンの余りもの)で風を送り、休みながらデータを取りました。
最初は気づかず、データの取り直しで異常に気づきました。

その他

外観の汚れがあったので、クリーニングを実施しました。
外ケースは、ポリバケツに洗濯洗剤を溶かしたぬるま湯を入れて漬けておき、落ちきれない汚れは評判の高い「シンプルグリーン」で磨きました。
取っ手の固定部はメッキ磨きの「ピカール」、コネクタは「重曹」で磨きました。
ネジは全て新品に交換し、外観も蘇りました。