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オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2011.4.18作成

クラニシ RW-100L

☆周波数 非公開
☆測定レンジ 非公開
☆入出力インピーダンス 非公開
☆指示誤差 非公開
☆挿入損失 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開
RW-100L

リグの説明

クラニシの50-430MHz通過型パワー計です。
フロントパネルを右に示しますが、左メータで進行波電力、右メータで反射波電力を表示します。進行波のレンジは100/20W、反射波のレンジは20/5Wをプッシュスイッチで切り替えます。
フロントパネル測定精度向上のためでしょう、周波数切り替えの50/144/430MHzプッシュスイッチがあるところがユニークです。
SWRの目盛表示はなく、換算表があった?という話を聞きました。アンテナの調整なら反射波を最低にすれば十分ですが、SWRの絶対値は計算で求められます。
 SWR=(√Pf+√Pr)/(√Pf-√Pr)
 Pf:進行波電力、 Pr:反射波電力
つまり、これを計算して表にすれば換算表になります。
内部は頑丈な検出部とメータ、メータ切り替え・電流調整ボリュームの基板で構成されています。検出部はアルミの厚板と真鍮のブロック?で組み立ててあり、立派すぎて分解を断念しました。分解して特性を悪化させたら大変ですHi。
なお、コネクタはM型です。N型のタイプもあったそうですが・・・・。。

調整

簡単に動作チェック、ダミーロードを接続し144MHzで約 10Wを入力しましたが、反射波が0.1W以下と良好でした。
反射波電力が小さすぎて精度が無いので、SWRは計算しても意味がありませんHi。
入出力を入れ替えてもほぼ同じで、検出部は問題なしと判断しました。
さて、パワー切り替えスイッチと半固定ボリュームが接触不良になっており、一部のスイッチでメータが振れません。ボリュームは上面、スイッチは基板を外して接点洗浄剤を吹きかけ、ボリュームを左右に回転し、スイッチを繰り返し押したら改善されました。
組み直し、各バンドで調整します。ボリュームを回しますが、単純にパワーの調整で4個(進行波・反射波で各2個)・3バンドで3個の計7個のボリュームではありませんでした。計8個あります。(下写真)
回路を追っていくと、144MHzで進行波100W/20Wと反射波20W/5Wをボリューム4個で調整し、その後に50MHzで進行波・反射波をボリューム2個でそれぞれ補正、430MHzで同様にボリューム2個で補正すれば良いことが判明しました。
調整箇所手持ちのリグで各バンドのパワーを加え、較正済みの終端電力計と切り替えながら調整しました。

その他

入出力コネクタが外ケースから飛び出しておらず、中に入っています。コネクタの取り付けが窮屈なのが残念です。N型コネクタのケーブルにN-M変換コネクタを追加し接続しようとしましたが、コネクタが回せません。
周辺のケースが本体を囲むように口の字型になっており、本体をは裏面側に押して外します。コネクタが飛び出せないわけです。
その後、改良版と思われるRW-102L(周波数は144-1200MHz)が発売されたようですが、こちらはコネクタが外に出ています。現物がありませんが、手持ちの終端型パワー計RW-120Lと同じ構造ではないかと思われます。
反射波電力の表示にどれだけの意味があるのか疑問もありますが、一般ユーザの立場ではSWR表示のほうが理解し易いでしょう。メータを1個にし、パワー/SWRの切り替えスイッチとボリューム1個を追加してSWRが読めるようにすれば売れていたのではないでしょうか。
「クラニシ」のブランドは、当時でも高級品のイメージがあります。