レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2009.5.26作成
2009.6.17追記
2010.10.5追記
2010.11.27追記

トリオ PS-5

☆出力電圧 非公開
☆出力電流 非公開
☆出力電圧変動率 非公開
☆リップル電圧 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開

リグの説明

トリオのモービル機向けの電源です。TR-7200シリーズ3機種とTR-8000・8200・8300は全て外形寸法が同一ですが、これらのリグを乗せて使えるようになっています。
上記リグは下面にあるスピーカ部が飛び出しており、リグ単体を机に置くと平面になりません。(もちろん机上で困らないように、前面側にコの字型のアングルがあります。)
この電源は、リグ下の突起を考慮して上面をくぼませてあります。また、前面に穴の開いたパンチング部からスピ−カー音が出るようになっています。
上のカバーを開けた写真を示します。トランジスタ2SC1115を用いたシンプルな安定化電源です。裏面から出力電圧を取り出します。
また、昔懐かしいモーター駆動の時計を内蔵しています。デジタルクロック(針がなく文字を読むからデジタルですねHi)のはしりですが、入手したのは60Hz仕様でした。
これまた「化石」の話題ですが、時計はAC100Vでモータを動かしており、電源周波数の50Hzと60Hzで回転数が変わります。東日本は50Hzなので、60Hz仕様の時計を動かしても約2割の誤差が出ます。
表示させても無意味なので、モータの配線をカットしました。

特性評価

入手時に動作しており問題ありませんが、経年変化を考慮して基板上のケミコンを交換しました。
 ダイオードブリッジ出力に入っているケミコン(4700uF 35V)も劣化がありそうですが、手持ちがすぐに見つからないので(どこかに眠っているかも)交換は保留しました。金具で固定するブロックコンデンサは最近購入していませんHi。
 最近の基板自立型のコンデンサは16mm径と小型になっており、これを活用したほうが良さそうです。
負荷として6オーム20Wの抵抗が複数個あったので、組み合わせてデータを取ってみました。
 出力電圧の変動はほとんど無く、無負荷(0A)と4.5Aの差は0.1Vでした。
 上がダイオードブリッジ出力(制御回路入力)、下が出力電圧のリップルです。
負荷12オーム 出力電流約1.2A 負荷6オーム 出力電流約2.3A
負荷4オーム 出力電流約3.4A 負荷3オーム 出力電流約4.5A
負荷をかけ出力電流を増やすと、ブリッジ出力の最小値が下がります。制御トランジスタはNPNのダーリントン接続なので、制御回路の入出力電圧差は最低2V必要でしょう。出力を4.5A取ると、ブリッジ出力が最小で16Vになり、リップルが増えます。規格上は余裕があるように見えますが、恐らくこれ以上流そうとするとリップルが急増するでしょう。

その他

断続負荷時の電流規格が3.2Aとのこと、中途半端に感じました。取扱説明書で「TR-7200、TR-8000専用電源」と書かれており、TR-8000の仕様に従った数値と判断しました。
実際は評価結果のようにマージンがあるので、前記の6機種に十分使えます。
(2009.6.17追記)
大事な話を書き忘れていました。
上記の表現では、4.5Aまでギリギリ使えそうですが、実際は『AC100Vの変動』を考慮する必要があります。
商用ACを用いる場合、極端な電圧変動はなさそうに思えます。ところが、延長コードを用い他の機器と併用して大電流を流すと、銅線といえども電圧降下が生じます。発電機の場合、変動は必然的に発生します。
これらの影響を考慮し、メーカーでは一般的にAC100V±10%で動作を保証しています。
そうなれば出力4.5Aは無理で、3.4Aが限度です。ブリッジ電圧が最低18Vですから、10%ダウンで約16Vです。
移動運用で使う場合、マージンが不足すると変調に電源ハムが混入したりSSB/CWでチャぴる(わかるかなぁ、この表現?)事態になります。今のリグではほとんど無いでしょうが、マージンは大切ですね。