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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2009.7.18作成
2010.10.5追記

トリオ PS-5000

出力電圧 非公開
☆出力電流 非公開
☆出力電圧変動率 非公開
☆リップル電圧 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開

リグの説明

50MHzのAM/FMトランシーバTR-5000用の専用電源です。上にトランシーバが乗るように、トランシーバの幅と奥行きサイズを合わせてあるようです。
上のカバーが無く内部が丸見えですが、背面側の突起部にトランシーバの下面を挟み込んで固定するらしく(電源の説明書には何も書かれていない)、省略されたようです。
電源スイッチはありません。トランシーバの電源スイッチと連動しており、背面の5ピンのケーブルでトランシーバと接続します。
フロントパネルはメッシュです。写真で内部が透けて見えますが、本体が乗れば暗くて分かりません。
内部は至ってシンプルで、トランスも小さめです。対象リグが限られているので、出力電流にマージンを持たせてありません。
メンテナンス前の様子を以下に示します。ホコリだらけ、サビだらけです。配線もクチャクチャです。

特性評価

AC100Vを入れるので、事前チェックします。何と!AC100V側のヒューズが20Aでした。これはいけません。2Aに交換しました。
スライダックで徐々にACを加えますが、まだ出力が出ません。気が付くとヒューズが切れています。
整流ダイオードが短絡していました。SW-1という当時ありふれたダイオードと思いますが、両波整流の片側1個が死んでいます。出力トランジスタ2SC664もダメでした。
取説の回路図を見ると、出力保護回路がありません。説明文にも、出力を短絡すると壊れる旨の記述がありました。
昔の出力保護が無い回路を修理しても無意味なので、別回路を考え作り直しました。汎用品のLM317に電流増幅のトランジスタを加えたシンプルなものです。手持ちの穴あき基板で組立ました。
回路図は省略しますが、応用する場合は電流の流れる箇所に少し太めの配線をして下さい。
パーツを全て取り外しクリーニング、再組立したものが上の写真です。ヒューズホルダやコードブッシュは新品に交換しました。
出力トランジスタは、手持ちのあまりもの(2SA739)を使いましたが、同程度のもので構いません。最近滅多に使わないPNPトランジスタの最後のご奉公ですHi。トランジスタは直接ハンダ付けせず、ベークのソケットに取り付けますが、今では珍しい方法です。

特性評価

セメント抵抗を負荷にして2Aまで出力電流を流してみましたが、回路基板上の出力電圧降下は0.03V(出力13.8V時)しか変動しません。制御は問題ないようです。リップルもオシロで見た限り数mV以下でした。
TR-5000へ接続するケーブルが摩耗していたので、作り直しました。太さが全て0.3SQですが、最大1.8A流すには少し物足りません。+13.8VとGNDの2本は0.5SQの配線にし、(気持ちだけですが)電圧降下を少なくしました。
TR-5000の修理ができたら、改めて実機評価します。

その他

シンプルな電源は回路の勉強に最適です。自作をおすすめしたいところです。中古の電源を安く購入し、トランスやケース、ヒートシンク等を流用しオリジナル品を完成したほうが安くあがります。
基板はプリント基板をエッチング等で作る必要はありません。電流の多く流れる箇所に太目の配線をすれば十分です。
3A以上流す電源なら、配線にご注意下さい。リップルを減らすノウハウがそれなりにあります。