レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2011.3.22作成

DAIWA PS-46

☆出力電圧 非公開
☆出力電流 非公開
☆出力電圧変動率 非公開
☆リップル電圧 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開
PS-46

リグの説明

フロントパネル ダイワのDC電源です。説明書が無く仕様が不明でしたが、仕様と回路図が掲載されている書籍* を発見しました。
 * 「ダイナミック・ハムシリーズ パワーサプライ設計と製作」 西田和明・矢野勲著 1980年 CQ出版社発行
 小型で電流も最大3.5A止まりの能力しかありませんが、電流計が付いており、フの字型の保護回路が内蔵されているので実験には最適です。多くのリグの修理に活躍してくれました。
 フレームGNDの端子が出ており、隣接した+ターミナルと短絡することで、+アースの電源を簡単に作ることが出来ます。現在『+アース電源』は馴染みが無いものですが、かつての50MHzAMの名機であるTR-1000は多数のPNPトランジスタを用いた+アースのリグです。この電源なら、フレーム同志が接触してもヒューズを切ることはありません。
内部の写真

特性評価

 まず、無負荷で電圧が13.4Vと低かったので、調整しようと半固定ボリュームを回すと、13.5Vから14.4Vまでいきなりジャンプします。ボリュームが劣化しており、交換しました。
 電圧13.8Vで電流3.5A流すとリップルが10mVありました。一応規格は満足していますが・・・。
 しかし、電流が4Aを越えるとリップルが15mVになり、余裕がありません。
 回路は、トランジスタ5本のオーソドックスな構成です。整流後の平滑コンデンサ4700uFを交換しましたが、大きな変化はありません。容量を倍の10000uFにすると、リップルは2割程度減少しますが、スペースがありませんし、10000uF自体が経験上大きすぎます。
 他の2個のケミコンを交換したところ、リップルが減少しました。上記と同じ電圧13.8V・電流3.5Aでリップルは4mVです。さらにプリントパターンや配線も見直しましたが、大きな改善はありませんでした。
 電流制御トランジスタ2SD586の能力とトランスの電流容量を推定、4A以上得ることは無理と判断しました。
 出力電流-電圧特性と出力電流-リップル電圧の特性を示します。
 今回はAC電圧の変動を考慮し、AC90・100・110Vの3条件で特性を取りました。
 ワーストケースのAC90Vでは、3.5Aでリップルが10mVを越えます。もちろん屋外運用で発電機を用いた場合等に限定されますが、スペックはほぼ満たしています。
 室内の運用なら、、間欠で4Aまで使えそうです。
出力電流-電圧特性 出力電流-リップル電圧特性 リップル波形
出力電流-電圧特性 出力電流-リップル電圧特性 リップル波形 出力電流4.1A
X:5ms/div、 Y:10mV/div
AC100V

その他

 整流ダイオードをショットキーダイオードに、電流制御トランジスタをコレクタ電流が大きいものに変更すればマージンは拡大すると思います。しかし、スペースの余裕がない電源なので、無理に改善を図るより現状維持が無難でしょう。
 整流後の平滑コンデンサ4700uFはチューブラ型で、入手が難しくなりました。基板面積を多く占有するためニーズが減ってきたからですが、交換が必要になったならば、回路も全て変更します。
 実はこの4700uF、耐圧25Vです。電圧は最大27Vあり(AC20V X2の両波整流)マージン不足は明らかですが、この時代はマージンが無い設計があちこちで見られます。ケミコンは消耗品ですから、ストックがあれば、すぐにでも交換したいところです。