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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2009.6.17作成
2010.10.5追記
2015.4.3追記

目黒電波測器 SG MSG-276A

☆周波数 非公開
☆出力 非公開
☆AF変調周波数 非公開
☆消費電流 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開
2015.4.3追記: すでに数年前に売却済みで、手元にはありません

リグの説明

目黒電波測器のFM標準信号発生器(SG)MSG-276Aです。10年以上前にハムフェアで入手しました。
周波数から、FM放送帯のラジオ・チューナーの調整を目的にした機器であることは明白ですが、改造すれば50MHzか144MHzに使えるかも・・・・と入手したものです。長期間、部屋の隅で眠っていました。
もちろんトランジスタ・IC等を用いた測定器です。
国内の有名メーカーなので、設計はしっかりしているはず・・・・と、ケースを開けてみました。前面のコーナーカバーのネジを外し、さらに現れたネジを外すとフロントパネルと本体が引き出せます。
背面から見た写真ですが、丸い円筒状のケースの中に発振回路が入っています。ここがSGの心臓部で、安定度・シールド(外部への信号モレ)を配慮した設計を感じさせます。
アルミのフレームに基板や電源を取り付け、周辺回路は3枚の基板をプラグインしており、修理の基板交換を容易にしています。
家電メーカーの生産ラインで多数使用された製品ですから、故障時のメンテナンスをいかに早くするか?がポイントですね。

発振部とその周辺


発振部は円筒側面にパッチン錠があり、外すと簡単に分解出来ます。通常よりも大きめの写真でご紹介します。
内部は二重シールドになっており、中央にバリコン、周辺に発振回路のパーツが見えます。
フロントパネルに周波数を切り替えるスイッチがありません。実はダイヤルは360度回転し、180度は10.7MHz付近、残りの180度は75-110MHzで発振します。切り替えは、回転部にあるマイクロスイッチを用いています。(下写真)
75-110MHz出力時 10.7MHz出力時
出力制御のアッテネータ部も、注目に値します。中央ギヤ部から右上に伸びているシャフトが、フロントパネルの出力設定ツマミです。ツマミを回転することで、直交する出力検出部(金色の真鍮にネジを切り、黒い同軸が接続されている箇所)と発振部の結合度が変化します。
出力100dBu時 出力0dBu時

動作テスト

周波数カウンタで周波数をチェックしましたが、目盛通りでほとんど誤差はありませんでした。調整用のボリュームはありますが、上の写真にもあるように直径25mmの立派なもので、基板に乗せる小型の安物ではありません。
この装置には、目盛を較正する5MHzの発振回路があります。スイッチをONにしダイヤルを回すと、5MHzの倍数付近で「ZERO BEAT ADJ.」のLEDが点灯します。2箇所点灯しますが、その間に消灯するポイントがあり、ここが5MHzの倍数になります。まさに「ゼロビート」の要領です。目盛は、ダイヤルの外周にある3個のネジをゆるめれば回転します。
10.0MHz、80MHz、85MHz、90MHz・・・、110MHzまでしっかりとチェック出来、上限の110MHzで0.2MHzくらいずれる程度でした。
出力レベルは、手持ちのSGと比較し判断しました。本機は出力インピーダンス75オーム、最近の一般的なSGは50オームです。負荷を加えて出力レベルを比較すると、インピーダンスの差で誤差が出ます。JAでは開放端電圧(負荷なしの出力電圧)で表示する場合が一般的なので、高周波電圧計の値が手持ちのSGと同じレベルであることを確認するにとどめました。
周波数のドリフト特性をを以下に示します。電源を入れ、1分待ってからデータを取りました。最初の3、4分は変動が大きいので、電源ON後5分から評価すべきでしょう。
10.7MHzは20分待てば安定しますが、90MHzは60分以上待っても安定するように見えません。90分までデータを取りましたが、変化量は約2KHz/10分でした。周波数が高いので、この程度でも良しとします。
F=10.7MHz F=90.0MHz

周波数カウンタTR5821で測定

カウンタは測定開始まで1時間エージング済み
SG信号出力 100dBu(75オーム開放端時)
 

その他

問題と思われる箇所が無かったので、電気的には何もしませんでしたHi。
電源のケミコンを交換しようとも考えましたが、手持ちがありません。近日中に手放すかもしれませんので、お譲りする際に再検討します。
外観の汚れはクリーニングを行い、実用に耐えるレベルにしました。工場のラインで使われたのでしょうか、貼り付けたテープやノリの跡が多数あり、落とすのに時間がかかりました。
FMラジオ・チューナのメンテナンスには便利な機器です。