レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2004.6.19作成
2007.10.18修正
2009.7.8追記
2010.10.5追記
2015.4.14修正
2015.8.20追記

LEADER LPM-880

☆周波数 非公開
☆測定レンジ 非公開
☆入力インピーダンス 非公開
☆指示誤差 非公開
☆挿入損失 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開
2015.9.5追記: 都合により売却しました。

リグの説明

オークションで入手しました。
50オームのダミーロード内蔵の終端電力計で、裏面にM型入力コネクタがあります。また、BNCのモニター出力もあります。モニター出力は、ダミーロードからのモレ成分を拾い上げて検出する程度のもので、周波数による変動がありますし、-数十dBという定量的な値にもなりません。
前面にパワーの切り替えスイッチがあり、5W/20W/120Wの3段階に分かれます。
パワーは最大120Wになっていますが、短時間の印加に止めるべきです。ダミーロードが発熱すると、誤差が増えてきます。
カバーを開けると、裏面コネクタに直結した円筒形のダミーロードが目につきます。
右は上面から見た写真ですが、ダミーロードは下にもう1本あり、並列接続です。100オームのダミー2本で、100Wの耐電力を確保しているようです。

較正方法

いくつかのトランシーバの調整に活用しましたが、なんとなくパワーが出すぎているように感じていました。そこで、本格的?に校正することにしました。
校正に必要な電力はどうするの?という疑問があるかもしれません。
今回はACをスライダックで変化させ、RF入力に加えます。ACをテスターで読み取り、電力P=電圧Eの2乗/ダミーの抵抗50オームで計算するのです。
但し、測定するのは数MHz以上の高周波なのにこの方法では50Hzを加えます。このままではメータは全く振れません。
(実は、最初は何の疑問も持たずにそのままACを入れていましたHi!)
原理は50オームのダミーロードの途中からダイオードで高周波電流を整流し、メータを振らせるという実にシンプルなものです。整流後のコンデンサは高周波用であり、低周波特性は良くありません。
ここで30μF25V程度のケミコンを右図のように追加します。
電圧はテスターです。デジタルマルチメータを持っていません(デジタルテスターでもいいんでしょうが、今まで必要性を感じていなかった・・・・・)ので、現時点で誤差はあるものと割り切って作業をしました。

較正前

各レンジ毎の電力とメータの表示値を調べた結果を示しました。5Wmaxは最大5Wのレンジ、20Wmax・100Wmaxはそれぞれ最大20W・100Wのレンジで測定した結果を表します。点線は入力と表示が一致する理想特性です。
まず0-5Wを見ると、5Wレンジで約7-8%表示値が多く出ます。20Wレンジでは20%以上の誤差があります。当たり前なのですが、レンジを適切に選ばなければいけません。
誤差はダイオードのV-I特性だけではない問題のようです。
次に5-20Wを見ます。20W・120Wレンジいずれも15%程度表示が大きくなります。120Wレンジの方が誤差が大きめです。5-100Wでも同様で、15%程度の誤差が出ます。
「パワーが出ている」と思い込めば、精神衛生上良いのですが(Hi)、言い換えればこのパワー計で10Wぴったりの出力に調整すると8.5Wくらいしか出ないことになります。これも困ったことです。
0-5W 0-20W 0-100W

較正後

結果をもとに校正をしました。メータを振らせる電流調整用のボリュームを回すだけです。
5Wレンジ・20Wレンジいずれも5Wを示すように調整しました。同様に20Wレンジ・120Wレンジいずれも20Wを示すようにしました。
理想的な特性が得られました。
0-5W 0-20W 0-100W
右の写真のケミコンが、上で説明したACを用いた校正のために追加したものです。校正後は外しました。
さらに右下に見える3個のボリュームがここでパワー調整に使用したものです。
以上の対策で、十分な精度が得られたと判断しています。

その他

前オーナーがメータの目盛りにエンピツで書き込みをしていました。
(右写真) 5W近辺の電力を扱っていたようです。
今回の校正によって目盛りは不要になったので、目盛り板を外して消しゴムで消しました。一部少し線が薄くなりましたが、これは愛嬌ということで済ませますHi。
これで安心してパワーが測定出来るようになりました。