レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2006.8.17作成
2007.3.23追記
2010.10.5追記

 トリオ 周波数カウンタ FC-756

☆周波数範囲 非公開
☆入力インピーダンス 非公開
☆周波数分解 非公開
☆感度 非公開
☆感度切替 非公開
☆電源・消費電力 非公開
☆形状 非公開

装置の説明

トリオの周波数カウンタです。10Hz-60MHzのレンジ(以下LOWレンジとします)と50-500MHzのレンジ(以下HIGHレンジとします)をスイッチで切り替えます。
製造時期はかなり古いと思います。ロジックはTTL(LSではない)ですし、プリント基板はベークと紙エポキシの基板です。
LOWレンジは、信号が下のベーク基板へ入ります。ディスクリート部品で構成された増幅器を通ってカウンタ回路へ入ります。
HIGHレンジは、上の紙エポキシ基板のプリスケーラ回路で1/10にカウントダウンされてから下のベーク基板へ入ります。プリスケーラはモトローラのMC12013Pで、最大550MHzまで動作可能な1/10あるいは1/11カウンタIC(ECL)です。
改造箇所と記された基板は、後述する基準発振回路です。
周波数カウンタのポイントといえば、やはり周波数の精度・安定度・感度でしょう。以下、項目別に評価しました。

周波数精度

精度を確認する標準発振器を持っていませんが、手元のSGを入力してみると設定値との誤差は200Hz程度(F=100MHz、HIGHレンジ)でした。どちらに問題があるのか不明ですが、どうしても周波数カウンタのほうを信用してしまいますHi。
これでは技術的な説得力に欠けますので、標準信号発生器モドキ?を作ってみました。
現在は基板で組み立てただけなので、ケースに入れてから公開する予定です。
さて、秋月電子で大量に販売されている京セラのTCXO(12.8000MHz)を購入し、発振回路を作りました。TCXOを4個購入したので、14PのICソケット(DIP)にTCXOを差し替えて周波数を測定しましたが、いずれも12.800000MHzに対し誤差10-25Hzを表示しました。出荷時の周波数精度データがありませんが、この結果から周波数カウンタのほうが正確そうに思えます。誤差30Hz未満に入っているようですから、高周波回路の調整には全く問題ないと判断しました。

周波数安定度の改善

次は安定度です。
前述の信号発生器を1時間以上エージング動作させた後、本機の電源を入れて12.800000MHzの周波数の変化を観察しました。20分後まで周波数が低下し、その後安定傾向になりますが、60分後までさらに5Hz下がります。
基準発振は1000KHzの水晶(HC-6/U)をTTLで発振させており、周囲温度による変化が大きそうです。この変動、わずか20Hzですので問題にすべきことでもないのですが、せっかくですから安定化を試みます。
発振を上で紹介したTCXO(12.8MHz)を用いた発振回路に変更します。
回路図を左に示します。秋月の推奨回路を参考にしました。TCXOには5V±5%の電源が必要ですので、三端子レギュレータから供給します。
出力は2.5V±1.0Vのサイン波ですが、実はこの回路は好ましくありません。H-CMOSの入力レベルVIL・VIHは電源電圧に対しそれぞれ最大30%・最小70%という規格になっています。つまり、VILは1.5V以下、VIHは3.5V以上でなければならないのです。
理論上はギリギリで、CMOSロジックの電気特性マージンで助けられています。プロから見ればまずい設計ですが、横着をしてこのまま使用しますHi。本当は右図のようにTXCO以外の電圧を3.6Vか3.9Vにすれば余裕が出てきます。3.6Vにしたとすれば、出力は1.8±1.0V、H-COSの入力レベルはVILが1.08V以下、VIHが2.52V以上であれば良いわけです。
出力はVCC-0V間でスイングするので、TTLへのインターフェイスは不要です。
さて、この回路を組み込んだものが下の写真です。穴あき基板に配線しましたが、高周波回路として配線することが必要です(ここがコツですが、裏面なので見えません)。プリスケーラ基板の止めネジを活用して固定しました。原回路は1MHzを発振させてから7490で1/10にしているので、途中の回路パターンをカットして接続しました。
改造後の特性を取ってみました。
同様に12.800000MHzの信号を入力すると、電源ON後10分で3Hz、以降30分まででさらに2Hz、これ以降はほぼ変動がありません。
さすがTCXO!と感心しきりです。
高級機に改造できた・・・・・と、気分だけ満足していますHi。

感度

感度はあまり芳しくありません。プリスケーラ部のプリアンプのゲインがあるせいか、HIGHレンジのほうが感度が良さそうです。LOWレンジとHIGHレンジの感度がほぼ同じになるのは、約25MHzでした。
感度アップは、デバイス・回路定数変更よりも、ICを用いた外部プリアンプを追加したほうが楽です。ところが、現在使えそうなデバイスがわかりません。
かつてはuPC1651Cというデバイスが有名だったのですが、現在では入手が難しくなっています。秋月のキットのデバイスは在庫がなくなったらおしまいですから、特殊部品と考えねばなりません。なるべく汎用品を利用したいものですから、何がいいのか?と思案中です。
(一応、秋月のプリアンプキットは入手してあります)

その他

外観はまあまあですが、持ち運びのハンドルがサビていました。メッキ研磨剤の「ピカール」で磨いたら、小さなキズが残る以外は目立たなくなりました。
 研磨前  研磨後

オークションでの無断転用?(2007.3.23追記、2007.3.25さらに追記)

昨日、オークションサイトを検索していました。本機より性能の良いカウンタがあれば・・・・と、探していたら、同じ機器が出品されていました。どの程度のものかな?と開いて説明を読むと、何と、このページを一部引用した説明文があるではないですか!?
ページのリンクまで貼られています。この件に対する事前連絡は一切ありませんでした
個人の技術情報交換のリンクでしたら、何も申し上げません。しかし、これはオークションで金銭がからむ話です。トップページでも書いていますが、商品説明の宣伝に使う『文章・写真等の画像の無断使用』にあたると考えています。
「この場を借り厚くお礼申し上げます。」程度で済む話でしょうか。事前に一言いただければ了承したでしょうが、何ともスッキリしない話です。
出品者へ連絡する手段がなかったので、ここにコメントを記載したところ、当日メールで連絡がありました。状況をご理解いただけたので、今後注意することをお願いしオークションは継続いただきました。私には出品中止を求める権利はありません。
ここにもオークションページのURLが記載されていましたが、内容を含めて本日修正しました。短期間でしたが、リンクを貼られる意味が理解していただけたようです。