レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2010.7.31作成
2010.10.5追記

ALINCO EPS-110M

☆出力電圧 非公開
☆出力電流 非公開
☆出力電圧変動率 非公開
☆リップル電圧 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開

リグの説明

アルインコのDC電源です。取説が無く、ネットで情報を検索しても見当たらず、発売時期もはっきりしません。
メータで電圧・電流が読み取れますが、目盛りの赤いマークから推測して13.8V標準・最大11Aの規格と思われます。
アルインコの電源は数台所持していますが、ローコストを主眼に置いた設計で、構造や電気的な信頼性にやや不安を覚えます。ジャンクに近いものを入手し、改造して利用する予定でした。
入手コストは約\1.5K、トランスだけでも十分に価値があります。
初期チェックで出力電圧も出ており、電流もかなり取れることが分かりました。回路はかつてのベストセラーICの723を用い、Tr 2SD880と2N3055 2個のダーリントン接続で電流を得ています。
フロントパネルに2組、リヤパネルに1組の出力ターミナルがあります。リア側は配線も太く、50W程度のリグが接続出来ます。フロント側は、電源コードを差し込む小型ターミナルなので、10Wクラスの電源コードしか接続できません。

気になる箇所を改造

ケースを開け、清掃をして動作チェック、動作しており安心・・・・と細かくチェックしていたら、トランスの1次側のハンダ付けが手で押しただけで外れました。明らかなイモハンダでした。
(右写真)
 最初からこれではさすがに心配、気になる箇所は全て再ハンダしました。
 汚れはアルコールで洗浄、基板はアルコールを薄めて同様に洗浄しました。
左写真のように、プリント板が曲がって変形しています。シャーシと固定する金具が小さく、ネジを回しすぎたようです。出荷時にこれなら大問題ですが、過去のユーザーの作業の問題かもしれません。
基板の変形が気になり、これを機会に他の回路(実績のある317を用いた回路)に切替ようかと思いましたが、周辺にパーツが無く、電気特性にダメージが無さそうなので、723が死ぬまで現状維持と決めましたHi。
無負荷で電源を入れ、その後電源を切ったのですが電圧がなかなか下がりません。13.8Vから2Vまで下がるのに2分以上必要です。
整流直後のコンデンサが15000uFもあるのに、出力にブリーダ抵抗がありません。たまった電荷が逃げないのです。
出力に手持ちの620オーム3Wを追加し、無負荷時の放電時間を20秒程度に短縮しました。
ところで、配線がきれいとは言えません。フロントパネルのターミナル側の配線も少し細めで、10W機程度とはいえ2台を動作可能なくらいの電流を流すのは厳しそうです。配線を1.25SQから2.5SQに変更しました。
制御回路の細い線も引き回しを直し、美観を改善しました。とはいえ、あまり手をかけたくなかったので、手抜き気味ですHi。
出力電圧の検出(センシング)は、+側はリアのターミナルですが-側は整流出力のコンデンサ端子でした。-側もリアターミナルから引っぱりました。

動作テスト

オリジナルで13.8V・約10Aの電流を流しても、電圧降下は0.05V以下、リップルも6mV程度と非常に良好でした。
センシング部や配線を改善した結果、出力電圧のリップルも4mV程度に改善されています。
  X:5ms/div、 Y:5mv/div
無負荷時13.8Vの出力は10A流しても0.01V下がるだけです。

その他

連続で10A流すと、リアの2N3055がそれなりに熱くなります。連続動作は要注意です。
SSBやCWは大丈夫でしょうが、FM機は適度に休んでご利用下さい。
メータの取り付け方法が変わっています。フロントパネルに溶接された金具でメータをはさみ込むのですが、ドライバが入るように斜めからネジを締めつけます。しかし、この金具が初期設計からこうだった・・・とは個人的には思えません。
(設計者には申し訳ありませんが、)設計では真横からネジ止めする予定だったが、アセンブリ時にドライバが入らないことに気づき、暫定対策としてこのような事態になったような気がします。