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オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2011.8.30作成

DELICA HAMBAND DIP METER

☆周波数 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開
デリカディップメータ

リグの説明

周波数ダイヤル表示 デリカ(三田無線)のディップメータです。アマチュアの世界だけでなく計測器でも老舗のメーカーでしたが、惜しくも先日廃業しました。
 某OMのシャック整理の際にいただきました。上の写真は、メータを交換しメンテナンス後の状態です。
 HAMBAND DIP METERという名称が付けられており、コイル4本を差し替えて3.5-144MHzのハムバンドをカバーするように設計されています。中波放送を含む500KHz-3.5MHzは、コイルを自作すれば利用可能でしょう。
 シリアルNoが手書きで入っていることが手作りを感じさせます。6ケタ数字の最初2ケタの39は、昭和39年製という意味かもしれません。

メンテナンス

メンテ前 まず中を開けて目視チェック、特に異常なパーツはありません。真空管は6AK5です。
 動作確認のため電源を入れましたが、メータが振れません。ヒータは点灯しているので電源をチェック、するとトランスの2次側からACが出ていません。トランスの断線らしく、テスターでも巻線の導通がありません。
 回路図を入手し確認したところ、2次側の電圧は130Vです。ヒータの6.3Vも取り出せるトランスを探しましたが、小型すぎて中古・ジャンクとも見つかりません。
 あきらめて再チェック・・・・すると今度は2次電圧が出ています。ハンダ箇所の劣化らしく、再ハンダしたら問題なく電圧が出るようになりました。
 これで解決と思ったら、依然としてメータが振れません。感度調整ボリュームを最大にすると、メータがわずかに動きました。真空管に電流は流れているようです。
 電源のケミコンは劣化部品なので交換、しかし変化ありません。
メータを交換 原因はメータ(1mA)でした。テスタを直列接続し、電流を比較すると1/5程度しか振れません。分流抵抗が劣化している可能性があると考え交換を試みましたが、分解が難しくメータを壊してしまいました。
 古い機器なので市販の同等品(H社製と思います)はなく、中古品を探してもいつ入手出来るかメドが立ちません。
 結局、外観が異なる同サイズのメータをオークションで入手し、メータパネルを貼りかえることにしました。
 メータは狭いスペースにネジ止めしてあり、パーツのハンダを外す必要がありましたが、ネジ穴は修正不要でした。
 写真の左が従来のメータです。
メータパネルの作成 パネルは外してスキャナでPCに取りこみ、レタッチソフトで文字をコピー・目盛りを修正して仕上げ、シールにプリントしました。
 写真の右端が元のパネル、左端が入手したメータのパネル、中央がデザインしたシールです。
 左パネルの裏側にシールを貼り、はみ出した箇所をカットしてメータへネジ止めしました。
メンテ後 もう一つ気付いたことがありました。ヒューズがありません
 スペースが少ないのですがヒュ−ズボックスを追加し、0.5Aのヒューズを入れました。
 ACコードも細く感じたので、交換しました。
 デリカの古いディップメータは、回路図で見た限りヒューズが無い場合があります。お持ちの方は、ヒューズを追加することをおすすめします。

特性評価

 オシロで発振回路の動作が確認出来たので、発振周波数と目盛りの誤差を調べてみました。もっとも、誤差が大きくても調整箇所が無いのですが・・・・・・。
 グラフ表現が難しいので、4本のコイルでカバーする周波数範囲の上・中・下で測定・整理しました。
目盛値 測定値 目盛値 測定値 目盛値 測定値
レンジA 145MHz 141.5MHz 90MHz 88.0MHz 60MHz 58.9MHz
レンジB 50MHz 49.0MHz 37MHz 36.5MHz 25MHz 24.7MHz
レンジC 21MHz 20.7MHz 14MHz 13.7MHz 10MHz 9.85MHz
レンジD 8MHz 7.8MHz 5MHz 4.9MHz 3.5MHz 3.45MHz
 配線の浮遊容量の影響があり得ます。精度を云々するのではなく、周波数はカウンタ等の機器で確認すべきです。
 私の場合、ディップメータはコイルの自作やLCの共振周波数の測定に使います。誤差は傾向として把握しておき、利用時に誤差を補正しておけば十分です。
 面白いのは、周波数を可変するダイヤルの回転角度が180度ではなく、190度と大きくなっています。バリコンの構造上、ストッパがあれば180度が当たり前と考えていました。

その他

 DELICAのブランド力でしょうか、古い機器でもDELICAの製品は高値がついています。測定器としての価値ではなく、レア物としての価値でしょうか。
 コレクションアイテムなら、メータの形状までこだわらねばなりませんが、私は実用面重視ですHi。いずれ偶然にメータが入手出来たら、復元を試みます。
 回路はシンプルなので、(今さら真空管の機器でもないのですが)やる気のある方は自作すべきでしょう。