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注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2014.2.4作成

DAIWA CS-201

☆周波数 非公開
☆入出力インピーダンス 非公開
☆挿入損失 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開

リグの説明

 ダイワのアンテナ切替器CS-201です。10数年間、眠っていたものを引っ張り出してきました。
 アンテナを切り替えるスイッチが入っているだけじゃないか・・・・とガッカリする方もいるかもしれませんが、簡単に手入れをし改善したので、メモとして記録します。

特性評価

 使用せずに長期保管していた機器です。200MHzまでのロス特性を取ってみました。
 右図のようにSGで信号を入力し、出力A・Bをスペアナで読み取ります。測定端子とスペアナ間に6dBのアッテネータを入れ、他方の端子は解放しました。
 結果は右の通りで、A側はほとんどロスが無いのですが、B側は驚くほどの損失があります。
 ガチャガチャと回転させると、Bのロスは不安定に変化します。
 Bは実用になりません。
(注)
 測定値はきれいな曲線上に乗らないので、近似曲線で表現しました。定性的な結果と捉えて下さい
 低い周波数で損失が多く、周波数が高くなるにつれて浮遊容量が原因で損失が減少するようです。

原因と対策

 裏面のネジを外し、内部を観察します。単純な構造で、中央のツマミを回すと一方の芯線側の配線が接続され、他方の芯線側はフレームのダイキャストに短絡されます。
 ロスの原因は接点の酸化・汚れです。一方の接点が開放されたままだったので、片側だけ劣化が進んだのでしょう。
 接点部と、フレームとの接触部をクリーニングします。いきなり研磨はおすすめ出来ません。
 洗浄剤の一番のおすすめはイソプロピルアルコール(IPA)です。ドクターハムに相談し入手しましたが、薬局で簡単に取り寄せ可能だそうです。
 前勤務先の工場で、部品表面の洗浄に使っていました。基板の洗浄にも優れ、エタノールのように表面が白くなりません。換気にご注意下さい。
 液を綿棒に浸してクリーニングすると、真っ黒になります。汚れを落とした後、電子機器用の接点復活剤を少し塗りました。
 接点復活剤は少量でかまいません。スプレーの場合、容器に少し出してから綿棒で塗ります。不揮発性であるため、大量にスプレーするとベタベタに汚れます。

結果

 ロスはほぼ0.2dB以下(1-200MHz)と測定誤差の範囲で、問題ありません。使用していないコネクタへのアイソレーションも60dB以上ありました。
 眠っていた機器が復活しました。これで当分使えそうです。
 内容の薄いネタ、とお考えの方もいらっしゃるでしょう。ただ、このような難しくない処置で、ジャンクで廃棄されそうな機器が再利用出来ることを知っていただきたいのです。
 何となく調子が悪い、とお感じでしたら、接点の洗浄を試みて下さい。電気・電子部品用の接点洗浄剤か高純度のエタノール(99%)でも使えます。消毒用エタノールは水分を多く含むので、避けたほうが無難です。