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オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2011.4.25作成

アドバンス 13.8V 15A

☆出力電圧 非公開
☆出力電流 非公開
☆出力電圧変動率 非公開
☆リップル電圧 非公開
☆寸法・重量 非公開
☆発売年・定価 非公開
ADVANCE 15A電源

リグの説明

フロントパネル アドバンスの13.8V 15Aの安定化電源(キット)です。自分で購入・組み立てたもののようで(忘れましたHi)、取り扱い説明書もありましたが、型番が本体・説明書とも記載されていません。
 1990年前後に発売されたと思われますが、手元に記録がありません。
 出力電圧は13.8Vで固定されています。設定は抵抗2本で決まっており、可変抵抗ではありません。
 半導体リグの電源なので、調整箇所は無くても支障ありません。
上面図 安定化回路は、かつてのベストセラーIC 723を用いたシリーズレギュレータで、2SD1148を3本並列にして15Aの出力を得ています。
 過電流保護だけでなく、過電圧保護回路も付いています。出力が約16Vを越えると保護回路のサイリスタが動作し、整流ブリッジ出力と制御トランジスタ間に入っているリレーをOFFします。
 裏面のヒートシンクは、半導体素子の冷却に十分な大きさです。もちろん、空冷ファンはなく、大変静かです。

内部の解析

安定化基板 電流容量がありそうな大きな電源トランスが目に止まります。2次電圧はAC19Vですが、整流・平滑すると無負荷で最大約25Vになります。出力電圧との差は熱になるので、もう少し低くしたいところです。
 しかし、整流ブリッジ・制御トランジスタの電圧降下等が理論的に少なくとも3.5-4Vはありそうです。AC100Vの変動要因も考慮すると止むを得ません。
 参考データですが、出力13.5V 15Aではブリッジ出力の最小値が18Vでした。ブリッジに接続されているケミコンは20000uF(10000uF X2本)と大容量です。
 ダイオードブリッジがS15VB、手元の規格表を見ると最大電流規格が15Aです。最大出力電流が連続15Aなのに、これで大丈夫?、と急に気になりました。詳細なデータシートを調べたところ、ヒートシンク付きでAC50Hz入力した際の連続電流が15Aとのことでした。30Aまでの順方向電圧特性のデータがあるので、放熱に依存する規格と考えます。
 15Aで連続使用するには厳しそうです。トランシーバのように送受信を繰り返す間欠動作なら大丈夫、と判断されたのでしょうか。

特性評価

 ダイオードブリッジはそのままにしようか・・・・と考えましたが、出力15Aの連続テストでブリッジが熱くなります。少しでもマージンを確保すべく、手持ちの25Aブリッジ(KBPC25)に変更しました。このブリッジの損失データがありませんが、他メーカーの類似品では約2割は損失が減るようです。(上写真は、ブリッジ変更後です)
 無負荷の出力電圧が13.6Vで0.2V低めです。723の外付け抵抗2本の割合を変更すれば調整可能ですが、4.99Kオーム、5.23Kオームという標準規格外の抵抗なので代替も難しく、このままでも十分でしょう。
 電流を流して特性を取った結果です。出力端子電圧は無負荷で13.61V、5A増える毎に0.05V低下しますが十分です。
 リップルをオシロで確認した結果を下に示します。
   X:5ms/div、 Y:5mV/div、 AC=100V
 リップルは15Aで12mVまで増えますが、十分使えそうです。写真は撮りませんでしたが、12.5Aのリップルは6mVでした。50Wクラスのトランシーバなら大丈夫です。
リップル5A時 リップル10A時 リップル15A時
 Iout=5A リップル3mV  Iout=10A リップル4mV  Iout=15A リップル12mV

その他

 身近なキットが少なくなりました。アマチュア人口も自作する人も減少の一途ですから、ニーズが無ければ売れません。
 小型なスイッチング電源の製作はまず無理です。トランスが特殊ですし、トラブルシューティングが厄介です。また、リップルやノイズ退治が大変でアマチュアが簡単に出来るレベルではありません。
 でも、シリーズパスは最近のレギュレータICを用いれば部品点数も少なく、製作も容易です。
 パーツ集めも地方では難しい時代です。キットなら何とかなるのですが、企画するメーカー(SOHOでも)はないでしょうか。
 ところで、フロントパネルの穴は必要でしょうか、トランスと配線が丸見えです。放熱穴は左右側面にあるので、前面は不要です。既存のケースを流用したのかもしれません。
 電気的には満足ですが、この点は残念です。