レストア
注意!
オークションの無断リンクがあるので、仕様は非公開です。
2009.11.9作成
2010.10.5追記
2015.6.2追記

井上 IC-26

☆周波数・モード非公開
☆定格出力非公開
☆最大周波数偏移非公開
☆送信周波数構成非公開
☆受信周波数構成非公開
☆マイクインピーダンス非公開
☆受信方式非公開
☆受信感度非公開
☆通過帯域幅非公開
☆電源非公開
☆消費電力非公開
☆寸法・重量非公開
☆発売年・定価非公開

リグの説明

デュアルバンド機IC-2600と同時期に発売されたAQS対応機です。AQSについては、IC-2600をご参照下さい。本機は144MHzのモノバンド機ですが、430MHzモノバンド(あったとすれば、IC-36になるかも)は発売されませんでした。
AQS対応という仕様上、販売も国内のみらしく、海外で使われた情報がありません。生産台数も少ないようです。
ボタンの位置はIC-2600と同じですが、機能の違いで配列が異なります。モービルの夜間運用では文字が読めませんが、シャックでIC-2600を使った場合、慣れるまで混乱します。可能な限り位置を揃えるとともに、使用頻度によってボタンの配置・大きさを変えるべきでした。
上面図 下面図
下カバーを開けると、受信回路が見えます。上カバーを開けると、周波数制御回路の基板があり、この下に送信回路基板があります。周波数制御基板にしている穴は、送信基板のボリュームやトリマを調整するためのものです。

発振回路

受信周波数を周波数カウンタで読むと、約700Hzくらい低くなっていました。144.00・145.00・146.00MHzでも大きな差はありません。PLL回路の発振トリマを調整して誤差100Hz以下に追い込みました。
ところで144.00MHzと146.00MHzでも電波が出るので、ご注意を。
周波数改造がしてあり、144.00-153.00MHzまで周波数が変化しました。マニュアルに従い、元に戻しました。

受信部

受信は問題ありませんが、144MHz台が感度が良くなっていました。一応手を加え、ほぼフラットになるように調整しました。
受信感度は1.0uV入力でS/N34dBでした。
S特性(バーグラフ表示)は、15dBuでS9が点灯するように調整しました。9dBu入力でS1が点灯し始めますが、+5dBuするとS9になり、さらに+1.5dBuで全点灯(フルスケール)します。
IC-2600でも同じ現象ですが、弱い信号で点灯せず、信号が強くなるとすぐに全部点灯します。カーブが急峻すぎ、信号の強弱は判断しづらいようです。
調整後 S特性(f=145.0MHz)
調整方法にコツがあるのかもしれませんが、説明書と回路図が入手出来たら再検討します。
調整後のデータを以下に示しました。

送信部

当初からハイパワーで13W出ました。パワーモジュールの増幅なので、特に手を加える箇所がありません。
パワーコントロールボリュームを解除すると15-16W出ました。
スプリアス特性を右に示します。2倍高調波も-65dB程度で、良好です。
  X:100MHz/div、 Y:10dB/div、 F=145.00MHz
変調もモニタした限り異常ないので、手を触れませんでした。

その他

結局、大したことはせずに済みましたHi。
背面に1箇所、目隠しされた穴があります。ACC(アクセサリ)端子だそうですが、AQSの外部ディスプレイ用だそうです。
取説に記載されているもかもしれません。
2015.6.2追記:
4エリアの方からご相談と情報をいただきました。
ダイヤルを回しても周波数が下がらない(DOWNしない)、上がる(UP)はOKだそうです。また、マイクのUP/DOWNスイッチでは問題ないそうです。
本機の回路図がありませんが、IC-2600の取説がありました。デザインがそっくりだから、コントロールの回路も同じだろう・・と推測、使用されているLSIの型番をお伺いすると、IC-2600と同じです。
推測は合っているようです。
そこで右のブロックダイヤグラムを確認、エンローダからUP/DOWNのロジックまでの問題と推定しました。ここまでで回答を終わらせていただきました。
その後ご連絡があり、原因はエンコーダと接続されたTr 2SA1341の不良と判明、交換で解決したそうです。
テスターで電圧が出ていないことに気付いたとのことですが、手探りに近い状況で無事解決されたのは大変すばらしいことです。
さて、シャック整理のついでにIC-2600の取説(原本)を引っ張り出したら、回路図がありました。しかもロジック部の回路図があります。
諸般の事情により一部のみ紹介しますが、エンコーダのUP/DOWNスイッチからトランジスタQ9、Q10へ接続されています。IC-26ではQ1・Q2?だそうですが、原因はここだったのです。
他の機種でも同じような回路構成になっているかもしれません。同様のトラブルにお悩みの方は、頭を柔らかくしてお考えください。