21MHz 3エレメント八木の製作(その1)
目的
21MHz3エレメント八木アンテナ 昨年(2002年)10月下旬、恒例のCQワールドワイドコンテストがありました。過去4年連続で主に楽しんできた28MHzのコンディションが昨秋より低下してきており、期待できなくなりました。
 移動が頼りのハムライフですから、アンテナを上げてもQSOが少ないのでは寂しくなります。今回から21MHzでエントリーすることにしました。このバンドならまだ楽しめそうです。

 となれば、問題なのがアンテナです。DXには八木よりもクワッドのようなループアンテナが良く飛ぶと言われますが、調整の手間と組み立ての容易さから製作経験の多い八木アンテナを自作することにしました。
 自作にこだわるのは、資金不足が最大の原因ですが(Hi)、移動には軽く組み立て易いアンテナが必要だからです。メーカー製品のような耐久性は移動にとって不要で、重量が重くなるだけマイナスです。今回もエレメント数3本で検討します。
設計をする
 アンテナの寸法データはパソコンでシミュレーションします。
 MMPCというソフトで、JA1WXB松田さんが作ったシェアウェア(使用料を払って利用するソフト)です。CQ誌でも紹介されており、もともとはループ系アンテナの設計を主に考えられたようですが、八木系にも使えます。実は今まで活躍した28MHzのアンテナもこれで設計し直しました。
 アンテナの寸法はエレメント径にも影響し、パイプ径が違うとゲインの計算値も変化します。このソフトは異なる径をつなぎ合わせた場合でも設計出来、なかなかのスグレモノです。HB9CVのようなアンテナでも検証可能です。

 ブームは、手持ちの材料を用いかつ軽くするためにアルミパイプ32mmと28mmの2本をつなぎ、全長5.5mとしました。
アンテナの寸法 エレメントも同じ理由で10mm、13mm、16mmの3種類のパイプをつなぎ合わせます。
 エレメント長・間隔は過去の製作記事をもとにおおよその数値を入れ、少しずつ値を変えてゲインとFB比を調べて検討します。SWRはラジエータ(輻射器)の長さを変えながらインピーダンスを計算させ、最適値を求めます。設計周波数は21.25MHzとしました。

 出来上がった寸法が右図です。エレメント間隔はディレクタ(導波器)、リフレクタ(反射器)を固定し、ラジエータを移動させて検証・決定しました。

 但し、これだけでは製作の参考にならないので、下記に具体的な寸法を示しておきます。

エレメント長さ参考(片側)
ディレクタ660cm16mm径70cm + 13mm径130cm + 10mm径130cm
ラジエータ678cm16mm径74cm + 13mm径130cm + 10mm径130cm
+ バランまでの配線2mm径5cm
リフレクタ710cm16mm径90cm + 13mm径130cm + 10mm径135cm
間隔長さ
ラジエータ−リフレクタ260cm
ラジエータ−ディレクタ280cm
このデータから、利得・FB比・インピーダンスZ=R+jX・SWR(Z=50オーム)の計算値を以下に示します。
 また、給電点インピーダンスが20オームとなるようにマッチングを取った場合のSWRも併記しておきます。
 さらに実際のアンテナ設置条件を想定し、フリースペースの場合と地上高8mのパーフェクトグラウンドの場合でこれらのデータを表示しておきます。

 フリースペースとパーフェクトグラウンドの意味は、ここ を参照して下さい。
  (工事中)

フリースペースの場合
周波数
(MHz)
利得
(dB)
FB比
(dB)
インピーダンス
 R+jX(オーム)
SWR
(Z=50)
SWR
(Z=20)
21.006.5415.520.2-j19.02.892.49
21.056.6315.919.9-j15.82.812.17
21.106.7115.919.5-j12.52.761.87
21.156.8015.618.6-j 8.12.771.53
21.206.8815.618.2-j 4.82.781.31
21.256.9515.217.8-j 1.32.811.14
21.307.0314.117.4+j 2.22.891.20
21.357.0913.316.9+j 5.83.001.43
21.407.1512.616.5+j 9.53.151.73
21.457.2011.916.1+j13.33.352.13
パーフェクトグラウンドの場合 (地上高8m)
周波数
(MHz)
利得
(dB)
FB比
(dB)
インピーダンス
  R+jX(オーム)
SWR
(Z=50)
SWR
(Z=20)
21.0011.6314.919.9-j18.02.902.40
21.0511.7015.719.7-j14.82.802.07
21.1011.7716.419.5-j11.62.731.79
21.1511.8416.918.7-j 7.22.731.46
21.2011.9017.318.5-j 3.92.731.24
21.2511.9617.418.2-j 0.52.751.10
21.3012.0216.917.9+j 2.92.811.21
21.3512.0716.417.6+j 6.52.901.44
21.4012.1115.717.2+j10.13.041.75
21.4512.1414.816.9+j13.93.212.13
 共振点とは、おおよそインピーダンスのリアクタンス成分であるjXが0となるところです。
 これが21.25MHzになるようにラジエータ寸法を調整したわけです。
設計の結果
 上記の結果をグラフにしてみました。
 21MHzの場合、混信も多くなるので利得を確保しつつF/B比をある程度重視しました。
利得(フリースペース) 利得(パーフェクトグラウンド、地上高8m)
利得(フリースペース) 利得(パーフェクトグラウンド、地上高8m)
 利得はフリースペースで約7dBとまずまずです。
F/B比(フリースペース) F/B比(パーフェクトグラウンド、地上高8m)
F/B比(フリースペース) F/B比(パーフェクトグラウンド、地上高8m)
 F/B比は利得との兼ね合いが大切です。
 利得を重視すればF/B比が低下することが分かるでしょう。妥当な条件と言えます。
ビームパターン(フリースペース)ビームパターン(パーフェクトグラウンド、地上高8m)
ビームパターン(フリースペース) ビームパターン(パーフェクトグラウンド)
 水平方向のビームパターンは良好です。
 パーフェクトグラウンドの垂直方向のパターンを見ると、バックローブだけでなく上部方向へのローブが少ないのが分かります。放射エネルギーが水平方向へ集中しており、遠距離通信に向いていると考えます。
その2へ続く