2007.1.18

誠文堂新光社 初歩のラジオ別冊 アマチュア無線百科(受信機編)1968年発行

誠文堂新光社の月刊誌「初歩のラジオ」の別冊として発行された、『アマチュア無線百科 受信機編』です。1968年発行でB5版全200ページ、定価500円です。
 数式や難しい理論は少なく、受信機の基礎を学ぶには面白い本ですが、実用機の製作誌ではありません。
表紙は、当時の最新鋭機であったヤエスのFRDX400です。この裏もヤエスのCM、FR-50とともに、あのSR-200があります!SR-200は当初スターが発売しましたが、ヤエスに吸収合併されました。広告の写真には、しっかりとSTARのロゴが残っています。
ところで裏表紙は・・・・といえば、東芝が真空管のCMをしています。
高周波増幅部・混合部・中間周波増幅部のように、各ブロック単位で回路が解説されています。
左は高周波増幅部の解説ですが、1ブロックずつ製作した事例を紹介しています。1個ずつケーブルでつなぎ合わせれば受信機が出来上がるわけですが、右上写真のような構成は実験レベルであり、実用になるか?は疑問です。
中間周波増幅部は、当時455kcの時代です。一般的にはIFT、SSBを楽しむなら455kcのメカニカルフィルタです。
メカフィルは国際電気(現在の日立国際電気)が発売しているものが人気で、当時の価格で4,950円でした。
製作事例もありますが、もったいないの一言に尽きますHi。
受信用の廉価版メカフィルは、東光が有名でした。9R-59DやJR-500S、JR-310、FR-50・50Bに採用されていたと思います。こちらは350円でした。
受信機に用いる部品の品番・価格も掲載されています。一例を紹介しますが、当時の様子が思い出されます。
   真空管 6BA6:400円、 6BE6:450円、 6BZ6:700円
   430PF 3連バリコン:300円、 IFT T-21(3本):730円、 
   セラミックコンデンサ0.01uF(多分500V耐圧):20円
当時の受信機の構成も紹介しています。トリオの9R-59D、JR-500S、デリカのDX-CS7といった国内メーカーの他に、コリンズの75A-4、ハリクラフターのSX101が見えます。
また、BCLのために国内のAM・FM放送局の周波数表が掲載されています。まだAMは10KHzセパレーションですし、FMの民放局は実験局1局だけ(84.5MHzのFM東海、東京港区、電力1W)だったそうです。
田舎ではさっぱり分からなかったのですが、現在のFM東京の前身のようです。
「FM東海」という名称で何故東京にあるの?と不思議でしたが、東海大学の実験局として認可されていました。
関東の方なら常識でしょうか。