2015.5.1作成

トリオBFOコイル BFO-A、BFO-B


トリオのBFOコイルです。シールドケースなしのBFO-Aと、シールドケース入りのBFO-Bがあります。前者はパーツで購入したデッドストック品、後者はジャンクの自作受信機から抜き取った中古品です。
BFOはスーパーヘテロダイン方式の受信機でSSB信号を受信するために必要な発振回路です。このコイルは、20PF程度のバリコンと組み合わせて455KHz付近で自励発振します。
自励発振は、メーカー製受信機ではトリオの9R-59D/DSに採用されています。いわゆる自作の『高1中2』受信機に適当です。
BFO-Bは、シールドケース内にコイル・コンデンサ2本・抵抗が入っており、バリコンと真空管を接続すれば発振回路が出来ます。一方、BFO-Aはコイルとコンデンサ1本だけで、回路に応じたパーツが必要です。
BFO-Aは、簡単にシールドカバーで囲んでおけば安定するでしょう。
発振周波数を可変するのは奇異に感ずる方がいるかもしれません。一般的な受信機・トランシーバの場合、BFOの周波数は中間周波数+1.5KHz、-1.5KHz(LSB/USBの違い)の水晶発振が多いからです。
SSB信号再生のために、送信時に取り除かれた(抑圧して非常に低レベルになった)搬送波成分を加えます。これがBFO信号です。
通常SSBフィルタの帯域は3KHz(中心周波数+-1.5KHz)で、信号は帯域外は通過しないので、検波に必要なBFO信号は+-1.5KHzに置く必要があります。
(正負はLSB、USBで異なります)
帯域3.2KHzを通過した信号を例として、右図に示しました。(ご存じとは思いますが)帯域外がいきなり数十dB減衰することはありません。あくまでも理論を理解するためですので、ご了承ください。
ところで、中間周波帯域の広い受信機は中心周波数から離れていても通過します。
帯域5.2KHzを通過した信号を例にすると、信号の位置によっては下図のようにBFOの周波数が変化しても受信可能です。
また、本例では受信信号よりも上に搬送波を置いていますが、LSB/USBの切替時には搬送波が下になる場合もあります。この周波数をBFOバリコンで可変するのです。
周波数を正確に設定する必要が無いのは、この理由によります。
送信機と組み合わせてトランシーブ動作する時は、キャリブレートが必要ですが、受信だけならアバウトでも使えます。
* 上記内容について、私の理解不足があるかも知れません。誤りがあればお知らせ下さい。