2014.11.

ダイヤモンド製 75オームバランDP-BU7

バランは現在も数社から販売されていますが、全てインピーダンスが50オームのはずです。このバランは珍しい75オームの製品です。30年以上前の製品でしょうか。
形状から見て、棒状のフェライトバーにコイルを巻き、バランを形成していると思われます。
今でこそ同軸ケーブルは50オームが当たり前になりましたが、私が開局した30数年以上前は75オームの同軸を使用していました。HFや50MHzのアンテナを3C-2Vや5C-2Vで給電していたのです。
HF機がトランジスタ化され、144MHzが賑やかになる頃から同軸が3D・5D・8D等の50オームになってきたような気がします。
ダイポールは理論上給電点インピーダンスが約73オームですから、75オームの同軸ならマッチング回路なしでSWR=1とすることが可能です。でも、逆Vアンテナのようにエレメントを水平ではなくV字型にすると給電点インピーダンスは低下し、50オーム程度になります。トラップコイルの入った短縮ダイポールも同様です。
八木アンテナのような複数エレメントで構成するアンテナは、インピーダンス20-40オーム程度になります。ガンママッチやヘアピンマッチなどの回路で同軸と整合を取るので、同軸インピーダンスは75オームより50オームのほうが楽です。
ダイポールに50オームの同軸を接続すると、SWRは理論上1.5より下がりません。でも、アンテナの張られた周囲環境によってインピーダンスが変化し、マッチングが取れているケースが多いのです。
手持ちの同軸は50オームばかりになりました。75オームはTV受信用で入手可能ですが、送信時にチューンを取るリグも無くなり、使えそうなアンテナもありません。