Martinギター:仕様の謎
歴史上Martinのレギュラーラインのサドル、ナットの使用材にBone:骨材がないのは何故か?
一部ナットに(これも謎)Ebony:黒檀が使われているが、概ね象牙からいきなりプラスチック。
最近のラインナップではHD28LSVのナット/サドルが“Bone”となっているが、その他はCORIAN/MICARTAである。
それ以前はIvory、で'75から突然ナット/サドルとも全部MICARTAになって、少し前からはCORIAN/MICARTAとなっている。
なぜ、Martinは牛骨を飛ばして一足飛びにCORIAN/MICARTAなのだろうか?
Style18のナットの変遷として、
注、Style18でもT(テナーギター)のみは全てエボニー
- 〜1934年までエボニー
- 1934年〜1942年まで象牙
- 1942年〜1946年までエボニー(Dサイズを除く)
- 1946年〜1965年まで象牙
- 1965年〜1975年までプラスティック。
- 1975年〜ミカルタ
と言う未確認情報もあり。
Vintage Guitars Vol.4 丸ごと一冊000/OM(000/OMの軌跡)及び、Vintage Guitars Vol.1 丸ごと一冊マーティンD-28(D-28の軌跡)の資料とはプラスティックの使われた期間が異なるし、1990年からナットの材質がミカルタからコリアンに変更されているのは事実なので、この情報も完全ではなさそうではある。
労作、“Style18機種別生産台数”とともに
The Cat's Eyes Guitars World Webmaster levante40さんから次の「考察」も頂いた。牛骨が使えないと言うことについてなんですが、あくまで私の推測ですが、当時からマーチンはギターを各国に輸出していたわけで、牛を貴いものとするところ(インドとかのヒンズー教圏ですが)にも出してたんじゃないでしょうか。すると輸出企業としては選択肢から外れますよね。アメリカの企業は世論に極めて敏感なので…あり得ない話ではないと思う。
もう一つ鼈甲の件ですが、こっちはワシントン条約絡みの米国内世論のせいじゃないかと思います。(もちろん私見ですので・・・・)自然保護運動が高まった時期と一致するような気がします。アセテートが作れなかった訳じゃないでしょうし、「鼈甲柄」を使うということそのものが、企業イメージを悪くしかねないと判断したんじゃないでしょうかね。
牛骨は…インド圏へMartinが商売になるほど輸出されているのか判らないが、「亀さん殺してギター作るなんて」と言う世論を怖れたと言うのは充分に考えられる。
ピックガードの人工素材化は、もちろん牛と違ってワシントン条約の存在もあり、更にはMartin Clack対策の一番手っ取り早い方法が木材と吸水・膨張率が極端に異なる鼈甲を止めて、ピックガード塗り込みを止めると言う事だったからではないかとも思っている
どなたか真相をご存じの方は…情報をご提供いただきたい。