愚行連鎖 広木さんの手紙

GB楽器博物館

所沢の広木 さんからの手紙


愚行連鎖 様、サイトに集う皆様

先日入手した古いギターについて、是非投稿させていただきたく存じます。

今年冬、このサイトに触発(激発)され久しぶりにYD305を引っ張り出したところ、フレットは錆が浮きビビリも出ている、ペグも一部は回転がおかしい、なにより「私自身の体型が著しく当時と変わっている」ためかどうもしっくりせず、まあこいつはリペアをして大事にしてやることとし、ひとまわり小型もしくは薄いタイプを探そうとあれこれ画策しておりました。

6月半ば、埼玉県上尾にあるビンテージショップ「アーモンドグリーン」の広告で”ヤイリ00028タイプ”とあるのを発見しました。予め電話を入れ確認したところ
「SヤイリかKヤイリかは不明」
「ロゴもついていないし型番も不明」(じゃあなんでわかるの?)
「内部に刻印があり”YAIRI GAKKI NAGOYA”とある」
「見た目きれいとはいえないが、”鳴り”は良い」等々。
この時点で、とにかく見てみたい、弾いてみたいとの思いにかられ、週末まで取っといてくれと頼みました。

その週末、ショップでの数十分間、心の葛藤はあったものの、この飴色に焼けた小汚いギターが奏でる、あったかーいというか、音の表現はしづらいですが、「小室等がアルペジオしたら、さぞよかろうな」と言うような音色に惹かれ、結果的に我が家に鎮座しております。

正直にいうと「こりゃ珍しいわ」というコレクター的心理も働いてました。上述の刻印もよく見ると1966でシリアル52番?おいおい2桁ぁ?

ショップの店長さんとも話を交わしたのですが、お茶の水あたりにいけばマーチンもギブソンもいっぱいぶらさがってて、その気になりゃいつでも買えるけど(買えないんだけど[笑])こういうのはめったに出てこないっすよねぇ、とか。

トップは単板のようです。サイド、バックはローズですが内側の加工など見たかぎりでは、それ程グレードの高いモデルではないような気がします。ヘッドは変わった形でペグもあまり見たことないタイプです。(ロゴは意図的に消されたのかも知れません。)ショップにはこの状態で持ち込まれたらしいのですが、ボディの状態と比べフレットはピカピカですしサドルも低くセットされ、なんらか手が入っている可能性高い。ロッドアジャスタはありませんが、音程の狂いはなく、このあたりはさすがと思わせますね。バックは上塗りしているようにも見えます。いずれにせよ、どこまでがオリジナルの状態かどうかわかりません。

さて問題の「S」なのか?「K」なのか?ですが、

矢入楽器製造株式会社-->本社名古屋-->「S」、株式会社ヤイリギター-->本社岐阜-->「K」

から、これは「S」の系統と推測していたのですが、その後当方のYD305のケースの小物入れにプライスタグを発見、見ると「矢入ギター製作所」なんて印刷してある。(70年代半ば)おおらかな時代だったのか、さらに10年も溯るともっと曖昧で決め手に欠けるかも。

そこで、世界の”アルバレス”Kヤイリさんに、刻印の内容を問い合わせたところ、「S.yairiというメーカーのもので、弊社のものではない」との返答をいただくことができました。(Kさんありがとう、次はKでいきますから。)

現時点ではそれ以上のことはわかりませんが、これで、国産大好き「S.yairi FunClub」への投稿ネタとしてもグッドではなかろうかと。\(^_^)/


少なくとも、SもKも国産の銘器として定着していく以前の製品です。
もし、このギターについて、自分も昔持っていた、友人知人がもっていた、店で見た記憶がある等の情報をお持ちの方、是非お教えくだされば幸いです。せめて型番くらい知りたいと思います。それが「名古屋 乙 1号」とかでも決して幻滅しません。よろしくお願いいたします。

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