作曲ノート

やまめ“川面を渡る風”

もう夏も近い頃、某山中の渓流を高巻きして遡行し、大きな堰堤を越えると、突然谷底に開ける平瀬を発見した。
距離は2〜300m位だろうか。
両岸を切り立った崖に囲まれてはいるが、日当たりが良く、広く開けてそこはまるで写真で見た外国の景色のようだった。
流れる水は静かに、しかし、若葉の反射できらきらと輝き、暫し魚釣りを忘れてしまう程であった。
目の前を横切った翡翠色の翼(カワセミ)に促されて我に返り、#4のラインを思い切り伸ばしたのは言うまでもない。
もう数年あの場所を再訪してはいないが、はたして、あのきらめく山女達はまだせせらぎに遊ぶのだろうか…


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