GBのアームチェアCinema見ist:ズートピア

ズートピア

ズートピア(原題:Zootopia)

監督 リッチ・ムーア/バイロン・ハワード
脚本 ジャレッド・ブッシュ/フィル・ジョンストン
出演者
 英語版:ジニファー・グッドウィン/ジェイソン・ベイトマン/イドリス・エルバ
 日本語版:上戸彩/森川智之/三宅健太
音楽 マイケル・ジアッチーノ
主題歌
 英語版:シャキーラ「Try Everything」
 日本語版:Dream Ami「トライ・エヴリシング」
制作年 2016米


毎月一日は映画の日。
入場料が安くなる…のだが、私ゃシルバーだし、カミさんと二人ならどっちにしても夫婦50割だし、何もわざわざ大混雑が予想出来るそんな日に…

と思っていた。

ところが連休の中日。
前半連休ずっと仕事だったカミさんが映画に行く、と言う。
まぁ、最近は殆ど全ての劇場のネット前売りが買えるので席が確保出来れば良いんじゃない?

と言う訳で、映画3連発。7時間耐久シネマ鑑賞。

いやいやいや、朝一番なのに劇場前はチケット購入客で長蛇の列。
自動発券機も順番待ち。(つか、自分の順番が来てから機械の前でもたもたする奴が多いのはどうしてだ?)

最初の作品はディズニーの3Dアニメーション「ズートピア」。
以前劇場で予告編を観て、気になっていた作品。

アニメーションを余り好まないカミさんもどうしたわけかこれは観たいという。

最近上映される海外アニメーションは何故か東京都内殆どが吹き替え版。
字幕版は新宿1館のみ。
7時間耐久シネマ鑑賞を実行しようとするとこれに拘っていては時間的に達成出来ない。

仕方ない、と言うか、吹き替え版は声優が外れでなければ逆に映像世界に入りやすいので私は良いのではないかと思う。
封切り前にWALL STREET JOURNALに

ディズニー映画「ズートピア」は米宣伝工作と中国の教授が批判(2016.4.8.)

と言う記事が載った。

『中国の軍事評論家たちは、中国の一般国民が映画館や家庭内で何を視聴するかに一段と関心を強めている。そしてそのような軍事評論家の一人は、米ディズニーの人気アニメ映画「ズートピア」について、米国が中国政府に対し「見えないプロパガンダ」戦争を仕掛けている証拠だと批判した。』

この先で完全に映画の結末を述べてしまっているがいかがな物かと…

しかしながら…

『ズートピアは、海外と同様に中国でも高い評価を受けており、興行成績も好調だ。中国での同作の興行収入は、公開から約1カ月で14億6000万元(約250億円)に達し、アニメ映画で中国史上最高を記録している。

解放軍報の論説に対し、オンライン利用者たちは、この論説がアニメ映画を政治問題化しており、中国の文化大革命当時を想起させると反発している。中国のミニブログサービス「微博」のある利用者は「これは被害妄想と自己卑下の結果に違いない」と書いた。』

いやいや、中国のインテリゲンチャが完全にディズニーの広告塔と化してしまっているね。お疲れ様。

 「ひでえ映画じゃねえか」
 「ファシストになるより豚の方がマシさ」

 「いい映画じゃないか」

立ち位置によって価値観は…変わる。

映画を見終わってからネットのレビューを一寸覗いてみた。

何だか非常に皆さん評価が高い。(日本人はね…アメリカ人では酷評がそこそこ目立つ)

アメリカ合衆国をなぞらえたであろう、動物の理想郷を思わせるズートピア。
そして、そこには夢と自由がある。
めでたしめでたり。

と、まぁ最初からそう話は簡単ではないのだが…

主人公は、小柄で「ウサギ」で女性だから何も出来ない、弱者だと世間から侮辱と偏見を受けながらも持ち前の根性と粘り強さで「初」のウサギ警察官となる。
職場でもパワハラ・モラハラに立ち向かいながら頑張る。
そしてその頼もしい相棒はキツネの詐欺師。
こいつもキツネというだけで周囲から偏見を受け、心に深い傷を抱えている。
(ちなみに、映画の主人公は、その毛色からHareだと思ったが、パンフによると“アナウサギオ”、つまりRabitなんだ…ま、米国人は区別しないらしいんで、ど〜でも良いか)

ううむ…お膳立ては揃っているな。

理屈はいいや。
社会問題への言及も説教臭さを感じないから、良いんではないか?
ご都合主義はディズニーの本質だし。

速度感が凄く、キャラクターが可愛い。
それだけでアニメーション映画は成立する。

悪役の結末は…一寸納得出来ないけど。


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