GBのアームチェアCinema見ist:THE LAST MESSAGE 海猿
THE LAST MESSAGE 海猿
監 督 羽住英一郎
出 演 伊藤英明/加藤あい/佐藤隆太/加藤雅也/吹石一恵/三浦翔平/濱田 岳/香里奈/勝村政信/鶴見辰吾/石黒 賢/時任三郎
脚 本 福田靖
音 楽 佐藤直紀
原 作 佐藤秀峰
製 作 年 2010
週末、カミさんが「大奥」見に行くけど、一緒に行かないよね?
と、のたまう。
男女が逆転した設定の時代劇ね…イケメン鑑賞映画か…それは要らんわ。
カミさん、一人でレイトショー見に行ったとさ。
で、日曜日。
これはどうする?
あ、それね、それならご一緒しましょ。
日本映画史上初めて海上保安庁が全面協力した作品だという。
日本映画初の3D(2Dも併映)だという。
折角なので3Dで…
結論から書く。
自然な奥行き感の3Dで、印象は悪くないが…
やはり画面が暗いのは辛い。
「自然な奥行き感」と言うことはとりもなおさず、大声で立体画面!と言う必要もないと言うこと。
これ2Dで充分じゃないか?
3D鑑賞って結構疲れるし…
ワーナー・マイカルで観たのでREAL D方式。
眼鏡は自前のクリップ(眼鏡に取り付ける前掛け式)で、軽くて顔を傾けても映像の崩れがないので楽なのだが…
偏光サングラスを掛けて観る訳なので、何しろ画面が暗い。
さて、本題のストーリー。
もう、エンタメ王道まっしぐら。
3Dでなかったとしても、映画館で観る価値はあるだろう。
映画を観る前にレビュー、特にWeb上の素人批評は読まないことにしているのだが…
帰ってきてググってみたら、そりゃ酷評満載なのね。
曰く
泣かせたいのが見え見え
ありきたりで万人向け
突っ込みどころ満載
稚拙な駄作
ハリウッドのパニック映画にありがちなダメダメな突っ込みどころ満載の作品
高評価は制作側や配給会社の工作員
いや…
たかがエンタテイメントに何故そこまで酷評するかね?
泣かせたいのが…って、そりゃ作り側は当然意識するだろ?
(多分私は作り手の意図した所とは全く別の所で涙したが…)
万人向け…って、ヲタクにしか解らないようなマニアックな物はエンタテイメントたりえんだろう。
突っ込みどころ…ねぇ…
例えば、殆どの戦争映画は軍事ヲタにとっては見るに堪えない物だろう。
ヲタクは映画観られないのよ…可哀想に…
稚拙…と言いながら何を持ってして稚拙なのかを述べない批評…卑怯だな。
いや、ハリウッドの駄目駄目パニック映画みたいな物を作れるようになった邦画に乾杯!
悪い…
決して関係者ではないが、私は高評価するのである。
(海保大ファンではあるが。)
たかがエンタメなんだから、額に皺寄せて観るなよ〜!
物語の核は日韓露のエネルギー採掘施設謎の大炎上なのだが…
それを
『てっきり中国かアメリカが工作員の仕業と思ったが、そんな落ちはない。そもそも竹島を望む玄界灘で、日韓が共同で天然ガスプラントを建設する可能性などあり得るのか。建設どころか日本海の呼び方ひとつで紛糾しそうな気がするのだが……。』
だから
『こうした設定を、シニカルな視点ゼロで採用してしまうあたりに「平和」を感じてしまう。』
これは(多分)ギャラを貰って書いている人の文章。
要するに「平和ボケ」と言いたいのか?
こういうご時世だから“たかが”娯楽映画に政治を持ち込んで欲しくないね。
海保は格好いい!
それで良いじゃないか?
そもそも、これはそう言うストーリーなんだから。
時任三郎と鶴見辰吾の丁々発止、この辺り、稚拙と言えば稚拙かも知れんけど、良かったぞ。単純な私には。
クライマックス、海保の底力シーン…
もう涙出ちゃったし。
ラブストーリーではあるけれど、これは「男映画」。
突っ込みどころは多々ある物の、あのクライマックスに感動しない奴は男じゃない。
1も2も観た。2は一寸な〜、なんだかな〜だったが、この3、主人公の仙崎大輔の成長物語は充分に及第点の娯楽大作だと思う。
夫婦愛、仲間との絆、色々な絆が今回のクッサぃテーマである。
クサイから良いんだよ、この手は。
ともあれ、映画を観るのに、取り敢えず「突っ込みどころ」を探してハスに構えてしまうのは勿体ないよな。
決して安くない入場料払ってるんだから、目一杯楽しまなくては。
ハッピーエンドかどうかはネタバレになるから書けないが…
エンドロールが終わって劇場内の照明が灯った後、爽快感が残る映画である。
ただねぇ…
Webレビューに面白いことが書いてあった。
「で、タイトルには<Last>とか入れちゃお」
「えっ!これで最後なの?」
「いやいや、まだ<Final>とかも使えるしさ、その次には<帰ってきた…>なんかもあるから大丈夫」
いや…
そりゃ…あり得る。
メッセージ、Lastじゃねぇし…
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