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タイタンの戦い

タイタンの戦い 原題:Clash of the Titans

監 督 ルイ・レテリエ
出 演
サム・ワーシントン/リーアム・ニーソン/レイフ・ファインズ
脚 本 トラヴィス・ビーチャム/フィル・ヘイ/マット・マンフレディ
音 楽 クレイグ・アームストロング/マッシヴ・アタック
製 作 年 2010
製 作 国 米


タイタンの戦い 1981年に製作された同名スペクタクル映画のリメイク作品。
監督は“トランスポーター”シリーズなどで知られるフランス出身のルイ・レテリエ。

舞台を神話時代とその人物名によりながら、完全に神話離れしたフィクション…

1981年作のオリジナルをリスペクトしながらも現代風なファンタジーにスケールアップさせたリメイク映画…
オリジナルを知っている人も知らない人も楽しめる作りでオリジナルを再構築、まさにリメイクの名にふさわしい出来栄え。

等というレビューを読んだが…


悪いが、特に評価すべきところが見つけられない平凡な作品。
キャラクターも未完成な感じがするし、「売り物」のアクションも大したことはない。
「特撮」(敢えて特撮と言う)も現代のレベルではこの位当然だろう。
今回、余り好きではないXpand方式の3Dで見たが…
(眼鏡のデザインが、眼鏡人間には鬱陶しいのよ)

300円余分に払ってまで3Dで見る必要は…ないかな?

“アバター”は最初から3D専用カメラで撮影されたモノだそうだが、これは撮影後にコンピュータ処理で3D化されたモノだそうな。
なんかね、平たい書き割りを奥行き順に並べた…そんな映像なんだわ。

字幕は、あの“アバター”とは違って白文字で字幕部分が、手前に浮き出てくるスタイルで比較的に見易かったが…

タイタンの戦い 監督は多分、「原作」“タイタンの戦い”が好きなのだろう。
それは分かるが、巨匠レイ・ハリーハウゼン最後の作品とはいえ、全ての人がそれを見ているわけではない。
所々で見受けるマニアックな独りよがりの演出は嫌みでしかない。

ストーリーはまるでどこかの安手なロール・プレイング・ゲームをダイジェストにしました、みたいな…
元のハリー・ハウゼン(って、言っているが彼は特撮屋さん、映画そのものの監督ではない)が1980年代前半に作られており、本作品はそのリメイク。
つまり、数多くのロールプレイング以前のモノで、そのスタイルが完全に根付いてしまっているのだろう。
要するに、本作のお手本が本家、といえるのかも知れない。
どちらにしてもどこにでも転がっているような類型的な筋書き、詰まる所「大した話じゃない」のである。元ネタの神話のストーリーとも違うし。


タイタンの戦い 主人公ペルセウスのサム・ワーシントンも、ギリシャ・ローマ神話のキャラクターじゃないんだよな。
海兵隊員じゃないんだからさ…。

そもそもが本来的なギリシャ神話の「タイタンの戦い」とは全く異なるストーリー展開だし、ここまで娯楽一辺倒オコチャマ映画ならば、あまり理屈をこねても仕方ないのか…

単なる冒険ものとして楽しめばいいのかも知れない。
怪獣映画としてみればまぁ、楽しめないこともない。

「特撮」はそこそこちゃんと出来ているしね。


タイタンの戦い 実は本作、劇場パンフレットのキャスト欄にも名前が無く(探したら後ろの方のProduction notesのクリーチャーの項にやっと名前があった)、意外と気付いている人が少ないようだが…
メデューサが実に良かった。
恐ろしげな魔物顔が殆どなのだが、途中何度かと今際の際に見せた顔が、哀しいほどに美しい。
もう、ドキッとする位美しい。

これは本作一番の収穫。
メデューサがヌーブラ付けてちゃイカンがねぇ。


タイタンの戦い ナタリア・ヴォディアノヴァ(Natalia Vodianova 1982年2月28日 - )
ロシア・ニジニ・ノヴゴロド出身のスーパーモデル。現在はイギリス在住。ロシア語での発音はナタリア・ヴォジャノヴァの方が近い。(Wikipediaより)


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