愚行連鎖:Cinema見ist

GBのアームチェアCinema見ist:敵

敵

監督　吉田大八
脚本　吉田大八
原作　筒井康隆
出演　長塚京三/瀧内公美/河合優実/黒沢あすか/中島歩/カトウシンスケ/髙畑遊/二瓶鮫一/髙橋洋/唯野未歩子/戸田昌宏/松永大輔/松尾諭/松尾貴史
音楽　千葉広樹
制作　2024

カミさん、「映画行くよっ！」
と私と三男に指示を出す。
へぃへぃ、いつでもお供しますぜ。

私（と三男）が観たかった作品の上映はもはや早朝か夜間の一回のみ。
時間的に合わない。
カミさんが観たいという作品に。

ふうん…
知らない作品だ。
なんか賞を一杯取ってるな。
この時流に取り残された魔窟のような映画館、結構マニアックな作品を上映する。

この一寸不思議な作品を見終わり、今日は運動量が足りないので一つ手前の駅で降り、お買い物しつつ帰宅。

本日の作品
いつものことだが、カミさんご所望の映画を観るときには出来る限り事前情報を入れない。
本作に至ってはこんな作品が上映されていることすら知らなかったが。
TVCMが流れていたそうだが、私ゃ地上波は殆ど見ないからなぁ。

開映。

ん？モノクロなのか。
色という情報を破棄した映像は逆に観る者への解像度を高める。

一人の老人が朝起きて、便所へ行って、歯を磨いて…
なんだか底辺で貧相な独居老人か…
と、思うと彼は丹念に朝ご飯をこしらえ、丁寧にそれをいただき、豆を挽いて食後の珈琲を楽しむ。
あれ？底辺じゃないんだ。
これで主人公の位置づけを明確にしてしまう映像は凄い。

そして、退役仏文教授である彼は毎日その丁寧な生活を几帳面に繰り返す。

あ～、そういう映画なのね。

と、思いきや中盤辺りから状況は一変する。

そして終盤。

一体何だ？これは？？
コメディなのかミステリーなのか？ホラーなのか？それとも…

エンドロールを観てぶっ飛んだ。
原作：筒井康隆。
なるほど、確かにこれはツツイだと思うと同時に、知らね～ぞ、こんな作品。

原作は断筆から復帰直後に書かれたものだそうな。
そうか、私は筒井大好きで殆ど読んでいると思っていたが断筆前までだったんだ。

ラスト以外はほぼ原作準拠らしい。
これは絶対原作読まないとな。

この作品はモノクロであることに意味がある。いや、モノクロでなければ成立していなかっただろう。

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