GBのアームチェアCinema見ist:Super 8

Super 8

Super 8

監 督 J・J・エイブラムス
出 演 ジョエル・コートニー/エル・ファニング/カイル・チャンドラー/ライリー・グリフィスライアン・リー/ガブリエル・バッソ
脚 本 J・J・エイブラムス
音 楽 マイケル・ジアッキーノ
製作年 2011


三男坊がどうしても観たい、と言うので土曜のレイトショーに付き合った。
もう上映館が減り始めている。


以前何度か劇場予告編で観ているが…
なんだか殆ど興味をそそられなかった。

嫌い、と言うわけではないけれど、皆さんスピルバーグを過大評価しすぎているような気がする。
まぁ、「傑作」と呼ぶべき作品を数多く作っているが、悪いが箸にも棒にもかからない駄作も少なくない。
ましてや、本作は監督ではなく、プロデュースだし。

本作、徹底した秘密主義で作られ、予告編なども徹底的にティザーだったようだ。 帰宅してからパラパラめくった劇場パンフレットにもストーリーに絡んだ記事は一行もない。

そんな訳で、作者の意を汲んで事前情報を一切入れずに観に行った。

時代設定は1979年。冒頭、スリーマイル事故を報じる放送が流れていたり、ガソリンスタンド(コンビニ併設)の店員のアンちゃんが「出たばかりの個人用ステレオ装置“ウォークマン”を自慢したり…
70年代アメリカン・ポップスが流れ、冷戦を象徴するようなソビエト連邦への不信感を表すセリフなどもある。

が…そんな事はどうでもよろしい。

はっきり言ってしまうと…

スピルバーグ信者と、吾こそは映画マニア、そしてかつての自主映画少年達は絶賛するかも知れない。
そう言った人々を狂喜させるような小ネタ満載。
それが分からないと、多分面白さは半減だろうな。
そう言うマニアックな作りをしている割に、脚本はヘロヘロ。一寸酷いな、これ。

オマージュ、オマージュ、トリビュート!
どこかで“映画オタクのスピルバーグ同人映画”と評していたが、うむ…全くその通り。
悪いが、同人活動を商業映画枠に載せないで欲しい。

そもそも、SUPER 8と言うタイトル。
かつてアメリカで一世を風靡したコダック社の「スーパー8mmフィルム」と言うアマチュア用8ミリフィルム規格。
日本では富士のシングルエイトの方が売れたらしいが…(ウチにも昔あったな)
この映画はタイトルの「スーパーエイト」から即座に、民生用ムービーシステムを思い浮かべられ、そこからアマチュア映画を連想出来るような人がターゲットなんじゃないかと…

まぁ一般人として観れば、主役の少年と少女が実に良かったが…
いかにせよ、シナリオがねぇ…
女の子、ダコタ・ファニングの妹なんだ。
取り立てて可愛い、と言うわけではないが、上手いねぇ。
(ちなみに姉妹で英語版“となりのトトロ”の吹き替えを演っているそうな)

端的に言って出来の悪いSF仕立ての“スタンド・バイ・ミー”と言うのが当らずも遠からじ。

作者が望んでいないようなので、ストーリーについては一切触れないが… 最初の破壊シーンは流石にアメリカン・ムービー。ここまで出来るのなら3Dなんぞ要らないだろう。
が、しかし、ホラー物常套で、引っ張る引っ張る、とにかく無駄に引っ張る引っ張る引っ張る…
やりすぎだろ。

悪いが、その「恐怖の元凶」が登場しなければもっと素敵な映画になったかも知れない。

劇場予告を観ても興味を持てなかった映画…、退屈こそしなかったが駄作だ。
(いや、退屈しなかったというのは佳作なのか?)

最近よくあるパターンで、エンドロールにかなり長いオマケがある。
実は、このオマケが一番良かった。

この映画は…
エンドロールが全て!と言ってしまおう。


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