GBのアームチェアCinema見ist:スノーホワイト
スノーホワイト 原題:Snow White & the Huntsman
監 督 ルパート・サンダース
出 演
クリステン・スチュワート/シャーリーズ・セロン/クリス・ヘムズワース/サム・クラフリン/イアン・マクシェーン
脚 本 ホセイン・アミニ/イヴァン・ドーハーティ
原 作 グリム兄弟『白雪姫』
音 楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
製 作 年 2012
製 作 国 米
ヘロヘロになって仕事から帰ると、カミさんが
「とっととご飯食べよう!もうそろそろ終映しちゃうから、レイトショー行くの!」
はいはい、映画ならいつでもご一緒しますわよ。
いや、実は観たかったんだ、これ。
予告編に余裕で間に合い、いつものシネコンの小さめスクリーンへ。
何だよ、ガラガラじゃないか。
予告編で、あの懐かしいガンダルフ師に出会った。
この冬、“ホビット 思いがけない冒険/The Hobbit: An Unexpected Journey”ホビットと題する作品が公開される様だ。
原作は“ホビットの冒険”だね。監督はあのトールキンをたのピーター・ジャクソンだから期待しても宜しかろう。
さて、本編…
ありゃ?これって、コメディだったっけ?そもそもジュリア・ロバーツなんか出てたっけ?
と思ったら、こちらも予告編。
“白雪姫と鏡の女王/Mirror Mirror”9月公開だそうな。これも面白そうじゃないか!
気を取り直して本編。
キャッチコピー
「おとぎ話は終わった。今、新たなる「白雪姫」伝説が始まる!」
「この夏、世界は初めて出会う。戦う白雪姫と-。」
いやいやいや…
こうも改変するか?
昔絵本で読んだモノや、ディズニーの長編アニメのあれはいったい何だったんだ?と…
しかし、映画的にはかなりこれは面白い。
なによりシャーリーズ・セロンの悪のお后がもの凄い存在感。
この作品はこの人がいなかったら成立しなかったかも知れない。
改変とはいえ、セブン・ドワーフスも出てくるし、魔法の毒リンゴも王子様もちゃんと出てくる。
しかしながらどの部分をとってもネタバレになってしまうので詳細は省略。
まさにキャッチコピーの通り、おとぎ話でノー天気に王子様を待っていた白雪姫は何処にも存在せず、鈍色に輝く甲冑に身を固め軍旗をはためかせて騎士団の先頭を駆けるジャンヌ・ダルクがそこにいた。
ラスボス、悪のお后の無敵の強さもなかなか素敵だ。
舞台によって色彩感をがらっと変えた撮影がなかなか美しい。
メルヘンタッチ、ひらひらきらきらのお姫様ではない、どちらかというと薄汚れた白雪ちゃんもリアルだ。
年代から言っても人々の生活や装いは多分薄汚いモノだったはずである。
セブン・ドワーフスがキャンプ地で奏でる音楽もTraditionalで実に雰囲気が出ていた。
しかしなぁ…宮崎駿の世界観が、もろに西欧人に影響を与えているのを観ると、これは凄いことだと感じざるを得ない。
一神教の白色人種がまさに八百万のアニミズムをこんなところに持ってくるとは一寸衝撃的ではある。
まぁ、キリスト教支配が浸透する以前のヨーロッパは元々妖精や精霊がうじゃうじゃと住んでいた土地ではあるし、幽閉された塔の中で父なる神に祈りを捧げる白雪ちゃんも、そんなアニミズム世界に何の抵抗もなくとけ込んでしまうのだが…
Wikipedjaによると、本作を三部作の1作目とすることを予定している…らしい。
確かにエンディングはハッピーエンドなのかどうかよく分からない微妙な終わり方ではあった。
しかし、映画としてはかなり楽しめた。
ドライアイによる疲れ目が酷くてこりゃ上映中寝てしまうか…と思ったが、最後まできちんと観ていられた。
娯楽映画としてかなりお薦め、かな?
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