レッドクリフ Part I（原題：Red Cliff 赤壁）
監 督 呉宇森（ジョン・ウー）脚 本 芦葦（ルー・ウェイ）/鄒静之（ヅォウ・ジンジー）
出 演 梁朝偉（トニー・レオン）/金城武/張豊毅（チャン・フォンイー）
原 作 三国志演義
音 楽 岩代太郎
製 作 年 2008 中国 香港 日本 韓国 台湾
やっと観てきた。これまた、「三国志マニア」の方々には極めて不評な様である。
曰く、歴史を歪曲する。
曰く、ゲーム用のムービーと大差ない。
曰く、歴史大作を期待すると落胆する。
いやね、映画はそもそもエンタテイメントなのだから、ましてやドキュメンタリーでもないのだから、もっと素直に映像世界を楽しめないのだろうか？
私は原典の三国志も三国志演義も本気で最後まで読んだ事がないので充分素直に楽しめた。
逆に、三国志を知らない人には三国志を知る良い機会になるのではないだろうか。
事実、既に先行して観てきた私の長男は、三国志を買い込んで読み始めた様だ。
（普段余り本など読まないのに…）
一緒に観たカミさんも「三国志」ってどれを読めばいいの？と…
多少の誇張や演出上の創作はあるにせよ、これは大衆向けエンタテイメント。三国志初心者や普段歴史ものに触れない観客に配慮して話を簡潔化するのは映画作法として当たり前であろう。
ストーリーは、歴史と異なろうとも整理されていて非常に解りやすい。
解りやすくするため、善悪を明確にするのは大衆娯楽の常道。
様式化された殺陣に苦言を呈する声も多い様だが、リアルな京劇と観れば何の問題もない。
ましてや、これは「武侠映画」なのだから。
本編の前に物語の背景や主要人物のキャラクターを説明するナレーション（日本版独自）が挿入され、これも非常に理解の助けになる。
何よりこれは、英雄譚。戦闘の映像は大迫力で圧倒的である。
芝居そのものの英雄の大活躍に背中に電気が走った。
男ならワクワクするだろう。違うか？フニャチン共っ！
能書きこかずに血を滾らせろっ！
特に関羽、これが実に私の持っていたイメージそのままの風貌。関羽は神として関帝廟に祀られる程の英雄で、記録では伝説の名馬「赤兎馬」を駆る2mにも及ぶ豪快な大男だと言う。
映画のモンゴル人俳優、巴森扎布（バーサンジャブ）は小柄な男だが、その身の丈を意識させない、立派な関羽を演じていたと思う。
もちろん、ジョン・ウー映画。白鳩も飛ぶ！
しかし、これ、二部作なのだな…
当初、タイトルに「Part-1」の文字はなかったはずだが、いつの間にか…
燃えたぎる熱血…その最高潮でぶった切られたのが若干欲求不満に…
とにかく、Part-2を観てから、だな、評価は。
レッドクリフ part IIは、2009年4月に公開予定。
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