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RAILWAYS

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

監 督 錦織良成
出 演 中井貴一/高島礼子/本仮屋ユイカ/三浦貴大/奈良岡朋子
脚 本 錦織良成/ブラジリィー・アン・山田/小林弘利
音 楽 吉村龍太
主題歌 「ダンスのように抱き寄せたい」松任谷由実
製 作 年 2010


RAILWAYS 劇場予告編を見て、ん、これは一寸観たいかな、とは思っていたのだが…

いや…このタイトルはあんまりでないか?
TVの2時間サスペンスじゃねぇんだからさ…
もう少し頭使ってくれても良いんじゃねぇか??

Wikipediaによると…

仮題は『BATADEN』であったが、2009年7月29日の記者会見で『RAILWAYS』として発表された。

のだそうだが、“BATADEN”の方がまだマシか…んにゃ、どっちもどっちだ。
このセンスには一寸困惑してしまう。


RAILWAYS 映画そのものはヤオイ(やまなしいみなしおちなし)とまでは言わないが、大きな山のない平坦な映画ではある。
泣けるとか感動するとか言った類の作品でもない。(多分…)

だから、駄目…とは言わない。
心臓に悪いほどのジェットコースター・ムービーばかりが映画ではないだろう。
さぁ泣けと号泣強要感動押し売りが名画でもないだろう。

淡々と風景を描き出し、淡々と家族の情景を綴り、どこにでもあるような諍い、どこにでもあるような別れ、どこにでもあるような理解を映像に焼き付けている。

それはそれで、観ていて妙に落ち着く、気持ちの良い映画といえるかも知れない。
力のある役者を揃えて彼らも演技者としての使命を全うしているし。

中井貴一、上手いねぇ…
本仮屋、相変わらず美人じゃないけど、いい女になったねぇ…

冒頭でリストラの断行を条件に大出世を約束された企業戦士(なんか古臭い言い回しだなぁ…)主人公と、運転士になってからの善人を絵に描いたようなキャラクターの急変化は一寸気になるが…これも「映画尺」の問題で端折らざるを得なかったんだろうな…


RAILWAYS これは、田舎に帰りたい。そして風景にとけ込んでゆったり暮らしたい願望を持った人と、鉄道マニアには堪らない映画かも知れない。

と思ったら、Wikipediaには…

本作は鉄道好きである阿部秀司による製作総指揮の元、細部まで鉄道の描写にこだわって製作された。3年近くを掛けて、部外者が立ち入れない運転台などで撮影する許可を監督官庁から取り付け、一畑電車・一畑電気鉄道(一畑グループの持株会社)・京王電鉄(一畑電車の運転士養成の委託先)の全面的な協力や、島根県、松江市、出雲市など沿線の自治体・団体の支援を得てロケが実施されている。主人公の実家の最寄り駅は伊野灘駅に設定されている。

阿部は本作について「ここまで鉄道をモチーフとした『鉄道映画』と呼べそうなものは初めて」と語り、鉄道映画というジャンルを確立したいと今後に向けて構想を練っているという。

ともあった。

そうか…
これは鉄ちゃんによる鉄ちゃんの為の映画なのか。

タイトルのデハニ50車内、車窓前方から順次光が差して行くカットは素晴らしい。
ちょっとゾクっと来てしまった。
(これは確か公式サイトで画像公開されている)

もちろん、全般にわたって風景が本当に素敵である。
これはストーリーがどうのではなくて、まさに映像を観る映画なのではないかと思う。


RAILWAYS 日本全国の201スクリーンで公開され、2010年5月29日・30日の初日2日間で動員7万8,367人、興収9,071万4,700円になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位となった[3]。また、ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)では第2位になるなど、年配者を中心に幅広い世代から好評となった。

そうだが…
しかし、封切り後一週間の都内のシネコン、日曜日の夕方の回が…
入り3割程度…
本当に大丈夫なのか?


RAILWAYS エンドロールに流れる松任谷由実の「主題歌」、まさにYuming節、イントロの3音聴いただけで松任谷夫婦の作と分かる曲で、うん、悪くない。悪くはないんだけれど…

いくら良い曲でもエンドロールだけに流すための主題歌、劇中で劇伴に使えない(多分この曲も無理)音楽を「主題歌」としてセッティングする最近の映画って…どうなんだろう?
タイアップするなら映像本編にきちんと関わるCMの方がまだマシなんじゃないかな?


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