GBのアームチェアCinema見ist:ラーゲリより愛を込めて

ラーゲリより愛を込めて

ラーゲリより愛を込めて


監督 瀬々敬久
脚本 林民夫
原作 辺見じゅん(『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』より)
出演 二宮和也/北川景子/松坂桃李/中島健人/寺尾聰/桐谷健太/安田顕
音楽 小瀬村晶
主題歌 Mrs. GREEN APPLE「Soranji」
製作 2022


「これは絶対に観に行くの。」
カミさん宣う。
出勤の土曜。夕方私と三男に招集がかかった。

第二次世界大戦後、シベリアに抑留され、強制収容所(ラーゲリ)内で死んだ山本幡男の遺書が、彼を慕う仲間達の驚くべき方法により厳しいソ連の監視をかいくぐって遺族に届けられた実話を描いた辺見じゅん原作のノンフィクション『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(1989年、文藝春秋刊)の映画化。

ラーゲリ(露: Лагерь)とは、ソビエト連邦における強制収容所を指すが、本来はキャンプを意味するロシア語の単語であり、夏休みの子供キャンプ、合宿、宿泊施設も意味する。

党により反革命罪等の体制に対する罪を犯したと判断された政治犯や重罪を犯した者、また敵国の捕虜等を主に収容し、恐怖や猜疑心、疲労によって支配された過酷な環境下に置くことにより、体制への恭順な態度を導き出す手段として使用された。収容者は無償の労働力としても利用された。特にスターリン体制下では家族ごと収容されることが多く、また収容所内での出産率も高かったため乳幼児の収容者も多かった。

グラーグ(労働収容所管理総局)の「ラーグ」はラーゲリのことで、白海・バルト海運河建設のための労働収容所(ベルバルトラーグ)、ヴィシェラーグ(ヴィーシェラ川流域労働収容所群)などの「ラーグ」もラーゲリである。
(Wikipediaより)
この原作は『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』として、1993年8月13日、フジテレビ系『金曜エンタテイメント』枠で終戦48年特別企画として放送され、第24回(1993年度)放送文化基金賞番組部門本賞受賞した。

出演 寺尾聰/石橋蓮司/河原崎長一郎/ガッツ石松/チャック・ウィルソン/田中隆三/でんでん/小倉一郎/加茂さくら/粟津號/青木卓司/佐藤輝/頭師佳孝/新井つねひろ/名古屋章/不破万作/木村修/浜田晃/河原崎建三/江角英明/中山仁/原ひさ子/いしだあゆみ

このTV版で主人公を演じた寺尾聰が山本顕一(主人公山本幡男の長男)を演じているのが非常に興味深い。(10歳の時に満州ハルビンからの帰国途中ソ連軍の爆撃に遭い、父親と離れ離れになった。)

泣かされる系ねぇ…
まぁ、原作も過去のTV版も知ってるんだけどね。
煮るなり焼くなりクンねぇ…
まぁ、彼はイーストウッドに認められている役者だからねぇ…

「これは戦争映画でもありラブストーリーでもある」

と、どこかの評論家が言ったようだが、そんなコメントでギャラ貰えるのってオキラクで良いなぁ。

煮るなりクン、なかなか良いんじゃないッスか?
しかし本作、完全にバイプレーヤーに持って行かれた作品。
安田顕が良いよなぁ。
浦島太郎君は相変わらずちょっと暑苦しくてウザいが。

ノンフィクション原作だから、落としどころを間違えなければそこそこの作品になる筈である。

一寸期待した前作主演を務めた寺尾聰はエピローグに登場する。

ううむ…
このとってつけたようなエピローグは寺尾聰への敬意なのか?

本作は所々に年号が出てくる。
終盤近く、自分の生まれた年にまだシベリアに抑留者がいたのだと言う事、再認識した。
カミさんは、自分が生まれる数年前にこんなお話があったと言う事に一寸衝撃を受けていたようだ。
勿論日本史的にはそんな時代だというのは知っているのだが。

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