GBのアームチェアCinema見ist:PREFECT DAY

PREFECT DAY

PERFECT DAYS


監督 ヴィム・ヴェンダース
脚本 ヴィム・ヴェンダース/高崎卓馬
製作総指揮 役所広司
出演 役所広司/柄本時生/アオイヤマダ/中野有紗/田中泯/石川さゆり/三浦友和/中野有紗/麻生祐未
製作 2023/日・独



「今日は孫達どちらももう一人の爺婆のところだから、映画行くよ。」
へぃへい、映画ならいつでも。
通勤時刻より早く叩き起こされた。
本日は息子(三男)も一緒。

いつもの様に映画館に到着する直前まで鑑賞作は知らない。
タイトルを聞いて洋画のアクション物だと思った。

本作は日本・ドイツ合作で制作された。
キャッチコピーは「こんなふうに生きていけたなら」。

をぃ、役所広司出てるぞ。
民衆に身を隠すスパイか?
ドンパチはいつ始まるんだ?

始まらない。
のっけから数十分名優役所は一言も喋らず淡々と公衆便所を掃除している。
なんぢゃ?これ?
上映時間124分と邦画にしては比較的長めな作品だが、役所はほぼずっと煎餅布団から目覚め歯を磨きヒゲを整えユニフォームに着替え軽バンに乗って公衆便所を巡って掃除を続ける。
時々彼の定規で測ったようなルーティンを妨げる出来事はあるが、彼の生活を変えるような大きなイベントはない。
いや〜〜寝そうだな。

いや、寝なかった。
セリフのない長い長い主人公のアップが続くエンディングは役所広司が名優であることを再確認させる。
この淡々とした物語(と言える物なのか?)にいつしか引き込まれて気付いたら劇場のダウンライトが灯っていた。

まるで主人公が携帯している古いコンパクトフィルムカメラの写真のような何とも言えない味がある作品であった。

なんだか小さな映画祭で受賞しそうな作品だな…と思ったらカンヌ穫ってた。

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