GBのアームチェアCinema見ist:Dr.パルナサスの鏡

Dr.パルナサスの鏡

Dr.パルナサスの鏡 原題:THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

監 督 テリー・ギリアム
出 演
ヒース・レジャー/ジョニー・デップ/コリン・ファレル/ジュード・ロウ/クリストファー・プラマー/リリー・コール/トム・ウェイツ/ヴァーン・トロイヤー/アンドリュー・ガーフィールド
脚 本 テリー・ギリアム/チャールズ・マッケオン
音 楽 ジェフ・ダナ/マイケル・ダナ
製 作 年 2009
製 作 国 イギリス/カナダ


ダーク・ファンタジー
と言うカテゴリーなのだそうな。

何だか突然カミさんが見たいというので…


Dr.パルナサスの鏡 殆ど意識してなくて、あまりその気もなかったのだが、カミさんに言われて一寸調べてみたら…

驚異的な画力!テリー・ギリアムの素晴らしすぎる絵コンテ公開!アカデミー賞2部門ノミネートも納得

なんて記事があって、テリー・ギリアム監督による絵コンテが公開されてた。
普通絵コンテなんてものは鉛筆でザザッとイメージを書き殴ったもの、良くても描きかけのデッサンみたいなものが多いのだが…

これは凄い!
このまま個展を開けそうな素晴らしい絵画だ。


Dr.パルナサスの鏡 本作はヒース・レジャーが薬物事故で命を落とし、撮影が中断し一時完成が危ぶまれたが、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウら3人がヒースが途中まで撮影を済ませていた役を4人一役で演じて完成にこぎ着けたという…

4人一役?なんじゃぁ??

そもそも監督のテリー・ギリアムは伝説のイギリスお笑い集団モンティ・パイソンのメンバーとして活動していた奇才である。
その上、画家としても通用する才をもつギリアム監督が手掛けた本作は、彼が描いた美しい絵コンテをそのままスクリーンに再現したかのようである。


Dr.パルナサスの鏡 タイトルにもなっている「鏡」。
鏡を通して、現実からその人の心象風景へとトリップすると言うのがこの映画のシカケだが…
アリス・ファンでもあるらしい監督描く鏡の中の世界は、まさにギリアム・ワールドで、よくまぁ、思いついたりの、不思議世界。
それがまた完成度高いんだわ。


Dr.パルナサスの鏡 現実のお話として鏡世界の部分を撮影する直前にヒースが急逝してしまったので、鏡の中に入るとヒースは、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルに姿を変える。
これもまた(苦し紛れとはいえ)この映画の大きなシカケなのだが…
どうも、ガイジンのご面相というのは今ひとつ区別が付けにくい。
流石にコリン・ファレルは全く別人である事が認識出来るが…
ヒースとデップが入れ替わったのに暫く気が付かなかった私である。

件のヒースがあのハル・ベリーの“チョコレート”で主人公の息子のを演じた俳優だというのさえ気づかなかったガイジン音痴である。


はっきり言ってしまうと「なんだこのヘンテコリンな映画は」なのだが、シュールなギリアム・ワールドを堪能するだけでも本作は価値があるかも知れない。

Dr.パルナサスの鏡 しかしながら、エンディングは余りに当たり前すぎてねぇ…
それから…
エンドロールが終わった後でブラックアウトしたスクリーンに流れるSEがナニを意味しているのか…私には理解不能であった。

ちなみに第82回アカデミー賞では、美術賞と衣装デザイン賞にノミネートされているそうな。

PG12指定だそうだが…なにが理由なんだろう?


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