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ナミヤ雑貨店の奇蹟(The Miracles of the Namiya General Store)
監督 廣木隆一
脚本 斉藤ひろし
出演 山田涼介/西田敏行/尾野真千子/村上虹郎/林遣都/成海璃子/門脇麦/山下リオ/手塚とおる
音楽 Rayons
主題歌 山下達郎「REBORN」
原作 東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
製作年 2017
昼過ぎに帰宅するとカミさん、「映画、席取ったから」と。
観たい作品が目白押しなので、せっせと消化しないと見損ねてしまうんですと。
で、本日の作品はこれ。
原作は東野圭吾。
今から12年ほど前、ひょんな事から手にした一冊の小説から、気に入って一気に半分程度の作品を読みまくったのだが。
その後何だか急にブレークして人気作家になってしまい、元々多作の人だったので何となく離れてしまっていた。
ガリレオシリーズが大ヒットしてから完全にターゲットから外れてしまっていた。
二月ほど前に、この作品の予告編を映画館で観た。
気になったので久々に読んでみた。
今回は何だかとても冷めた気持ちで、あぁ、そうなの?と読み終わってしまった。
煽りは「東野ミステリの最高峰」「東野圭吾史上もっとも泣ける感動のミステリー」
ううむ…
原作がこれだからなぁ…
日曜日、1日の映画の日も相まって、客席はほぼ満員。と、客層が…
若い女の娘とカップルばかり。
あぁ、そうか、これはアイドル映画なんだ。
原作は連作オムニバス風で、実は全てのお話がつながっている。
最終的に完結に向かって全てのお話が収束して行く、と言う東野得意のパターンである。
時空転移物と言っていいのだろうか?
過去に転移された人間は当然ながら未来に起こる事を知っている。
それは登場人物、ではなく、作者も同じ事。
答えが分かっている問題集に解答を書き込む、あるいは差し込む場所が指示されているジグソーパズル。
結果が見えているパズル遊びを楽しむのが難しい。
一緒に行った三男坊(趣味で脚本を書いたりすることがあるらしい)は
「長すぎるな、もう少しコンパクトにまとめた方が良いかな」と。
いや、本作は原作の5章をアレンジしてその内3章分辺りを軸に構成している。
つまり、これでも“整理した”のである。それで邦画としては長尺の129分。
間延び感はないが、確かにもう少し整理は可能かも知れない。
そもそも「時空転移」が話の軸なので時制が行ったり来たり結構忙しい。
原作を読んでしまっているので、種明かしの爽快感も希薄になってしまった。
隣の席にいた女性は最初から号泣しまくっていたが、ううむ…そんなに泣ける場面あったかなぁ。
カミさんは主演の若者のイケメンだけで満足したようだが…あぁ、これはそう言う映画なのか。
帰り道、三男坊と「いつ鎧が出るかと思ってた」「手をパチンと叩くと建物も変化するとか?」と冗談を言い合ったが、カミさんには分からなかったようだ。
原作を読んだ時に、『それはそうと、映画では本作の重要人物を西田敏行が演じるらしい。
いや、それはいくら何でもイメージが違いすぎるだろう。』と書いたが、西田敏行、やっぱり上手いな。と言うよりもちゃんと演じられる役者がそもそも少ないのか?
ストーリーの核に音楽があるのだが、これがまた、良いんだか悪いんだか何だかよく分からない。
エンディングで山下達郎の歌が流れたが、それが劇中で重要なアイテムとして使われた曲と同じモノだと言う事に暫く気づけなかったのである。
REBORN セリVer.
単にアレンジの違い、と言うことだけではない。
REBORN(山下達郎 Short ver.)
山下達郎の歌はどんな歌でも全て山下達郎になってしまうと言うある意味もの凄いことに気づかされたのであった。
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