鉄塔 武蔵野線
監 督 長尾直樹
音 楽 内橋和久・おおたか静流
主 演 伊藤淳史
助 演 内山真人
製 作 年 1997
原 作 銀林みのる
シナリオ 長尾直樹
原作を知る人には余り評判が良くないようである。
原作は第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作なのだが、既に絶版に近い状態らしく、入手が困難なのが残念である。
ファンタジーというイメージからは、一般的には勇者や魔法使いや伝説の魔物が登場する「剣と魔法の世界」といった印象を受けるが、本作はそんな世界とは全く縁がない。
一人の送電線鉄塔に興味を持った少年が、ただ単に一連の送電線をたどって鉄塔を番号順に遡るだけという、言葉にしてしまうと至って平穏無事日常の世界。
ただ、その「何でもない行為」が何とも優しく、ゆったりとした気持ちにさせてくれる、不思議な映画なのである。
はっきり言って退屈である。
でも、何とも魅力的な映画ではある。
評価はかなり別れるだろうが…