愚行連鎖:Cinema見ist

GBのアームチェアCinema見ist：図書館戦争

図書館戦争：LIBRARY WARS
監　督　佐藤信介
出　演　岡田准一/榮倉奈々/田中圭/福士蒼汰/西田尚美/橋本じゅん/鈴木一真/相島一之/嶋田久作/児玉清/栗山千明/石坂浩二
脚　本　野木亜紀子
音　楽　髙見優
原　作　有川浩『図書館戦争』
撮影協力　防衛庁、陸上自衛隊、航空自衛隊
製作年　2013

連休の中日、朝っぱらからカミさんに叩き起こされて、朝一番の映画館へ…
何でも夕方からお友達と会うのでそれまでに観たいのだと。

原作がある映画は大体がっかりするモノだが、カミさんは単純にイケメンが出てるだけで嬉しいらしい。

私は原作は全巻読了しており、作者は好きなのだが、どうにも釈然としない設定で、お話としては面白いモノの、好きか嫌いかと言われると…
うぅ～～ん…と唸ってしまう作品である。あった…

2007年の本屋大賞5位になった【図書館戦争】の実写映画化。

本屋大賞ねぇ…

内容は全6巻に及び完結した作品の第1巻目にあたる。
ストーリーとしては一番ドンパチが多く、映画的かも知れない。

国内で、同じ日本人同士が、図書館と言う限定された区域で「“法により認められた”本気の命のやりとり」を行う、と言う設定が今ひとつ納得出来ないでいた。
一般市民からすると「ただの戦争ごっこ」に過ぎない。
何故そんな戦闘が起こらなければならないのか、なぜそんな世界設定が必要なのか…
何よりも「図書館」という言葉と「戦争」という言葉の組み合わせがしっくりせず今ひとつ本気になれなかった。

ゴメンナサイ、アイドル映画だとみくびってました。

子供向けのライトノベルだとどこかで見下してました。

映画を観て気付きました。
これは現代日本の暗喩(metaphor)なんだと。

国民の統制を目指す様な国政の動き、逆に必要悪なのか鬼っ子なのか存在意義を問われる自衛隊…

制作者がそこまで考えたかどうかは解らないが、これは結構重いテーマなのではないだろうか？

「自由の象徴」としての「本」を守る、決して先制出来ず、相手を殺傷出来ない専守防衛の組織…

まぁ、作品そのものはドンパチと甘い恋物語の姿なのだが…

ラブストーリー度は原作よりちょい薄め仕上ではあるが、その分アクションシーン大増量。

この人の書評なら読んで間違いない、と言う故児玉清。
作者がキャラクターのモデルにしたというその人もオリジナルストーリーを作ってまでちゃんと出演しているのが嬉しい。
この原作についても大変気に入って、褒めていたのだが…

私にはそこまでの読解力がなかったのかも知れない。

冒頭シーンでブラッドベリ「華氏451度」を想起させるシーンがあった。
そう言う世界に、絶対にしてはならないのだ。

作中の悪法「メディア良化法」。現実でも現在似たものが国会で…

図書隊の記章にある花は「カミツレ」。
キク科の1種の耐寒性一年草で、カモミールと言う名前の方が馴染み深いハーブの一種。

学名/Matricaria recutita L.
和名/カミツレ
英名/German chamomile

花言葉は「苦難の中の力」

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