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空海-KU-KAI-

空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎(原題:妖猫傳※/英題:Legend of the Demon Cat)

監督 チェン・カイコー
脚本 チェン・カイコー/ワン・フイリン
出演
染谷将太/ホアン・シュアン/阿部寛/チャン・ロンロン/松坂慶子/火野正平/チャン・ルーイー(イッセー尾形)/シン・バイチン(六角精児)/ティアン・ユー(金田明夫)/チン・ハオ/キティ・チャン(沢城みゆき)/チャン・ティエンアイ(花澤香菜)/リウ・ハオラン(東出昌大)/オウ・ハオ(寛一郎)/シャー・ナン/リウ・ペイチー(不破万作)/チェン・タイシェン(山寺宏一)/ワン・デイ/(六平直政)/牡丹(早見沙織)
音楽 クラウス・バデルト
主題歌 RADWIMPS「Mountain Top」
原作 夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』
製作 中・日/2017

(※簡体字)


日曜日、映画だね…

シェイプ・オブ・ウォーターかしあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスが良いな、期せずして同じ女優が主演みたいだけど…

と言っておいたのだが、カミさんが選んだ作品はこれ。

『空海』と題する映画は、実は1984(昭59)年に日本でも作られている。
こちらは弘法大師空海入定1150年を記念して全真言宗青年連盟映画製作本部が東映と提携して製作。真言宗は50年ごとに一大布教活動を展開しており『空海』は布教の一環となった。

本作は夢枕獏の小説を下敷きにした日中合作映画。
劇場予告編を観た時…
「こりゃ、なんだ?どうなのよ、これ??」
と思ったのであった。

中国語(一緒に行った三男は第2外国語やってるので多少分かる様だが)は全く理解できないので日本語吹き替え版。

空海(774(宝亀5)年 - 835(承和2年3月21日)年4月22日))は、平安時代初期の僧。弘法大師の諡号(921年、醍醐天皇による)で知られる真言宗の開祖である。俗名(幼名)は佐伯 眞魚(さえき の まお)。日本天台宗の開祖最澄(伝教大師)と共に、日本仏教の大勢が、今日称される奈良仏教から平安仏教へと、転換していく流れの劈頭に位置し、中国より真言密教をもたらした。能書家としても知られ、嵯峨天皇・橘逸勢と共に三筆のひとりに数えられている。(Wikipediaより)

なんてぇ事は特に知る必要もない…作品。
タイトルを見ただけで、もはや…ア・ヤ・シ・イ。

オープニングで流れる現代的な音楽は、聴いていて何語がだか分からない。
中国語ではないし、英語でもない、ましてや日本語ではない。
なんか気持ち悪いな、と…

後で資料を見るとこの歌詞は英語だった様だ。
英語は苦手であっても、普通に聴けば間違いなくそれが英語だと判断できるのだが…
これは無理。
あぁ、あの「君の名は。」の音楽か…
どうやら、あれは私とは極端に相性が合わないらしい。
劇伴も多分豪華絢爛だった様だが、全く印象にない。

映像も煌びやかな物だった…様な気がする。
一緒に観た映画マニアの三男坊によると「当時の長安の大セットを組んだはずなのに、もっとじっくり見せれば良いのに」と。
その割にスケール感にも欠ける。なんかちまちましてるのだ。中国映画って、もっと壮大な物だよなぁ、いつもなら。

そもそもカメラワークが非常にせわしなく、見ていて少々疲れる程であった。
名匠と言われるチェン・カイコーって、こう言う作りをする人なのか。

長い…
2時間を優に超える長尺。
で、内容はと言えば歴史絵巻でも何でもない、かといって剣と魔法のファンタジーでも、謎解きミステリーでもない。
予告編はまるでどこぞの国の魔法ファンタジーの様であったが。

どうだ、凄いだろうの映像がダラダラと続き、メリハリがなく、一寸飽きた…
その凄いだろうCGも、言う程の事はない凡庸な物である。
そして、結末は…
覚えてないや。
見終わってうーん…と唸るしかなかった。

中国映画はやっぱりワイヤーアクションばりばりの武侠物か、一寸エロい幽霊物に限る…かな?

客席は高齢の方々で埋まっていた。
まじめな「仏教映画」だと思い込んで来ちゃったご老人がいたら、一寸悲惨だ。

法力を持って妖怪変化と戦う祈祷僧を期待しても肩すかしだしね。
大山鳴動化け猫一匹だし。


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