GBのアームチェアCinema見ist:君の名は。

君の名は。

君の名は。your name.

監 督 新海誠
出 演 神木隆之介/上白石萌音/長澤まさみ/市原悦子
脚 本 新海誠
音 楽 RADWIMPS
主題歌 RADWIMPS「前前前世」「スパークル」「夢灯籠」「なんでもないや」
原 作 新海誠
製 作 年 2016

カミさんが観たいという。
なんでも、職場の皆さんが観ていて、到底イメージ出来ないヲッサンまでもが良いと言っていると。

ふぅん…
そうなのか?
確かこの人の作品は…「ほしのこえ」と「言の葉の庭」を観ている。
観ている、と言うか「言の葉」に関しては友人がくれたビデオ(よい子はマネをしてはいけません)を、なのだが、どうにも途中で飽きてしまい前半のほんの少ししか観ていない。

あんまり期待しない方が良いと思うけどな。
そもそも貴女はアニメーション映画に余り興味がないんだから…

確かに「新海ワールド」とも称される風景描写の緻密さ・美しさは特筆すべき物ではあると思う。
しかしながら、この監督の作風は観る人を選ぶのかも知れない。

流行に乗って観に行ったカミさんの感想は…

綺麗でしたね〜、うぅ〜んかな!
ラーメンが美味しそうだった。

まぁ、普通のオバサンとしては極めて真っ当な感想ではないかと思う。
(劇場パンフによると、残念ながらあのラーメンはモデルが存在しない架空の物だそうな)

お話は一言で言うと思春期少年少女の肉体入れ替わり物。
平たく言うと、“あの”大林の「転校生」の現代版か?
タイムスリップは「時をかける少女」。

そんな大まかなプロットばかりではなく、本作は明らかに大林の精神世界を影響を色濃く反映しているのではないかと思う。

大林映画を楽しめない人にはこれは駄目かも知れないな。
それから、物語の伏線や隠しコマンドの類。
これも昨今の映像作品の常道で、その情報量を楽しめないとやはり駄目かも知れない。
更には全編通して何度も登場するRADWIMPS(知らない人たちだ)の音楽。
日本語の抑揚を無視したやたらと跳ねるシンコペーションだらけのメロディラインが気になって仕方がないヲッサンであった。

ストーリーに関して言えば、リアルとファンタジーが入り混じりすぎていて、視点が定まらない。つまり感情移入が出来ずに、結果的に「新海ワールド」の内、風景描写の緻密さのみに目が行ってしまう。
普通に観ていると設定や進行に無理矢理感が溢れているが、ファンに寄れば全て説明がついているのだそうな。
難しすぎる状況説明というのも当世流行物なのだろうか。

終わった後、ふぅん、ハッピーエンドで良かったね、と醒めた目の観客のままの自分がいた。

元祖「君の名は」を彷彿とさせるシーンを見つけてにやりとしたり、総武線上り下りで男女がすれ違うシーンは、あぁ、こりゃ東野圭吾だな等と楽しむのは面白いかも知れない。

更にカミさんの感想。
『泣ける?みんなそんなに愛に飢えてるのかな?』

う〜っむ!結構鋭いぞ。

興行収入が伸び続け、日本映画歴代最高記録を更新しそうだと言う事だが、リピーターが多いんだよね。多分。

ジブリと一緒でこの監督には信奉者が多いんだよな。

確かに“映像”作品としては第一級と言っても良いかもしれないけれどね。
うん、綺麗だったよ、とっても。



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