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ジョジョ・ラビット

ジョジョ・ラビット(原題:Jojo Rabbit)

監督 タイカ・ワイティティ
脚本 タイカ・ワイティティ
出演
ローマン・グリフィン・デイヴィス/タイカ・ワイティティ/レベル・ウィルソン/スティーブン・マーチャント/アルフィー・アレン/サム・ロックウェル/スカーレット・ヨハンソン
音楽 マイケル・ジアッチーノ
原作 クリスティン・ルーネンズ『Caging Skies』
製作 2019/米


ジョジョ・ラビット

のっけから“抱きしめたい”!
Heil Hitlerの渦からの“抱きしめたい”
予備知識としてあったのでぶっ飛びはしなかったが、流石にこの使い方は凄い。

で…
I Want To Hold Your Handじゃない?
Komm, Gib Mir Deine Handだって。わざわざドイツ語版である。

さて、これはコメディなのだろうか?
愛らしいがそこはかとなく哀しい映画。


ジョジョ・ラビット

10歳の少年ジョジョの友達は憧れのアドルフ・ヒトラー。彼だけの、見えない友達。そんなナチス信奉者の少年が年上の女の子に恋をする。

本編は10歳の子供の目の高さで進行する。

主人公の少年は勿論、キャスティングが良い。とにかく良い。その登場人物達みんなが優しい。


ジョジョ・ラビット

戦時下の街並みやママのスカーレット・ヨハンソンがまるで絵本のようにカラフルでお洒落で美しい。
故に後半の戦闘シーンの無彩色に近い映像との対比が綺麗である。

靴紐が結べない少年がいつも見ていたママの可愛い靴。
踊る母親の足元、目の高さで見たママの可愛い靴…

スカヨハ、実は凄い役者だったんだな。

映像は実にポップ。音楽もポップ。
しかし、そのシュガーコーティングの下にはビター・チョコレートが隠されている。

決してハッピーエンドとは言えないが、素敵なラストシーンに乾杯!


ジョジョ・ラビット

デヴィッド・ボウイ“HEROES”。
これもどうも英語ではなかった。ドイツ語版らしい。

 僕は王になる
 そして君は女王になる
 やつらを追い払うことはできなくても
 僕らは英雄になれる、一日だけなら
 僕らは一緒でいられる、一日だけなら

あ、そうそう。 最初に登場したときは「なんとブサイクな…」と思ったユダヤ人の少女。
物語が進むにつれてどんどん魅力的になって行くんだよね。

ユダヤ陰謀論周辺からは色々とご意見もあろうが…

アカデミー賞か…
まぁ、アメリカ映画界隈はそっち系なので、まぁ間違いないだろうな。

そう言った事情は別にしても、これは良作である。

ジョジョ・ラビット

折しも今日、こんなニュースが入ってきた。

20世紀フォックスから「フォックス」消す
2020年01月18日 10:36 朝日新聞デジタル

ウォルト・ディズニーが、昨年買収した映画スタジオ「20世紀フォックス」から、「フォックス」の名を外すことにした。米誌バラエティーなどが17日に報じた。新たな名前は「20世紀スタジオ」となる。

 「フォックス」の名は、保守色が強い「FOXニュース」を連想させるため、そのイメージを打ち消す狙いとみられる。アート映画を手がけるディズニー傘下の「フォックス・サーチライト・ピクチャーズ」も、「サーチライト・ピクチャーズ」に改名する。

 ともに、2月に公開する映画から新しいブランドになるという。バラエティー誌は、ディズニーのキャラクターのミッキーマウスにちなみ、「ネズミがキツネ(フォックス)を公式に殺した」と報じた。

***

映画のオープニングでおなじみのライトやファンファーレはそのまま残るらしいが…
ううむ…




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