GBのアームチェアCinema見ist:人生フルーツ

人生フルーツ

人生フルーツ

監督 伏原健之
出演 津端修一/津端英子
音楽 村井秀清
語り 樹木希林
製作年 2016


「映画一緒に行く?」
かみさんが言う。
はいはい、映画なら何でも。

で、どこへ?

ポレポレ東中野?

なんだかマニアックだなぁ。
作品名は…
現地に着くまで訊かなかった(と言うか訊いたけど忘れた)。

初めての劇場、と言うか、これはミニシアターってヤツか?
狭い館内のチラシ置き場や壁のディスプレイを見ると…
こいつぁ、なんだか“意識高い系”の…?

ううむ…

ニュータウンの一角にある平屋で暮らす建築家夫婦を追ったドキュメンタリー。さまざまな社会問題を取り上げたドキュメンタリー作品を世に送り出している東海テレビによる劇場公開ドキュメンタリーの第10弾。自身が設計を任された名古屋近郊のベッドタウン、高蔵寺ニュータウンに夫婦で50年間暮らす90歳の夫・修一さんと、敷地内の雑木林で育てた野菜や果物で得意の料理を手がける87歳の妻・英子さんの津端夫婦。敗戦から高度成長期を経て、現在に至るまでの津端夫婦の生活から、日本人があきらめてしまった、本当の豊かさを見つめなおす。ナレーションを樹木希林が担当。2016年3月に放送され、第42回放送文化基金賞番組部門最優秀賞受賞したドキュメンタリー番組を劇場版として再編集した。


あぁ、そう言えば、これどっかの劇場で予告編見たっけ。
どこだっけ?とカミさんに訊いたら「シネスイッチ」。
そうだった。こんな作品、一般館で掛けるはずもない。

「あんな風に歳をとって、逝きたい…」

そんな感想を目にした。

作品紹介に『日本人があきらめてしまった、本当の豊かさを見つめなおす。』と。

いや、豊かだし、“意識高い系”が憧れるであろうエコでロハスなスローライフ。

あのね、旦那は東大卒のエリート幾つかの大学で教授を歴任した人で、奥さんは造り酒屋の一人娘で、やはり何冊も本を書いている著述家。

団地の真ん中、300坪の畑雑木林付土地に、自分で設計した趣味丸出しの大きな平屋住宅を構えて、エコでナチュラルな隠居生活。

清貧年金生活者には到底マネが出来る訳もない。

悪いが、あの人たち 「庶民」じゃ無いから。

老人の夫婦関係は素敵だとは思うけどね。

でも、これは遠い高みの物語。
憧れても詮無いこと。




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