GBのアームチェアCinema見ist:白鯨との闘い

白鯨との闘い

白鯨との闘い(原題:In the Heart of the Sea)

監督 ロン・ハワード
脚本 チャールズ・レーヴィット
原案 チャールズ・レーヴィット/リック・ジャッファ/アマンダ・シルヴァー
出演 クリス・ヘムズワース/ベンジャミン・ウォーカー/キリアン・マーフィー/トム・ホランド
音楽 ロケ・バニョス
原作 ナサニエル・フィルブリック『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』
制作年 2015米


今回の作品は予告編の段階で、あのメルヴィルによる小説ではないと言うことは分かってはいた。

鑑賞前に予告編以上の予備知識を入れないというのが私のスタンスだが、鑑賞後今回の感想を書く前に、一寸ググってみた。

ハーマン・メルビルによる名著「白鯨」に隠された真実に迫った「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」をもとに、「ビューティフル・マインド」で第74回アカデミー賞の監督賞・作品賞に輝き、実写版「TIGER & BUNNY」の製作総指揮を務めるハワード監督が実写化。さらに「アベンジャーズ」のソー役で知られるヘムズワースが主人公の一等航海士オーウェン・チェイスを演じ、「007 スカイフォール」のベン・ウィショーが「白鯨」の原作者・メルビルに扮している。

そうなんだよな…
冒頭でメルヴィルと名乗る男が出てきた時点であれれ?

原作と称する翻訳物の文庫も出ていて、書店で発見した時に一寸立ち読みして、いやいや、それでも映画本編を見てからに仕様と購入しなかった。
まぁ、話を映画的に面白くするためには、「ネタ探しをしているメルヴィル」というキャラクターは…いや、本当に必要だったのか?

本作の原題は「In the Heart of the Sea」は直訳で「海の奥底」を指し、意訳ならば「復讐する海」とでもするべきか。(原作翻訳の元のタイトルはそうなっている)
当初、邦題は「白鯨のいた海」で公開されるはずだったらしいが、その方が趣がある。

「闘ってねぇじゃん!」というご意見が多い様だが、闘ってはいる。
闘ってはいるが、それは鯨とだけではなく…

大筋が過去に起こった海難事故の実話であるが、そこにはとてつもない重みがある。
映画という限られた尺の中でその重みが語り尽くされていたか、と言うと疑問ではあるが、しかし、これは大作、良作と行っても良いかもしれない。
それ故に決して後味の良い映画ではない。

とにもかくにも“売りたくて仕方が無い”意識丸出しのちゃちな邦題が邪魔をしているのではないかと思われる。

監督:ロン・ハワード。

スプラッシュ Splash (1984年)
コクーン Cocoon (1985年)
ガン・ホー Gung Ho (1986年)
ウィロー Willow (1988年)
バックマン家の人々 Parenthood (1989年)
バックドラフト Backdraft (1991年)
遥かなる大地へ Far and Away (1992年)
ザ・ペーパー The Paper (1994年)
アポロ13 Apollo 13 (1995年)
身代金 Ransom (1996年)
エドtv Edtv (1998年)
グリンチ How the Grinch Stole Christmas (2000年)
ビューティフル・マインド A Beautiful Mind (2001年)
ミッシング The Missing (2003年)
シンデレラマン Cinderella Man (2005年)
ダ・ヴィンチ・コード The Da Vinci Code (2006年)
フロスト×ニクソン Frost/Nixon (2008年)
天使と悪魔 Angels & Demons (2009年)
ほぉ…そう言う人だったんだ。

映画を観たので原作本を手に入れてきた。
ぱらぱらめくっただけだが、かなり資料性が高そうである。
昨今の値段ばかり高く、内容が殆ど無い劇場パンフレットとは大違いである。

以下Wikipediaより。
『白鯨との闘い』(はくげいとのたたかい、原題:In the Heart of the Sea)はアメリカ合衆国で製作され、2015年に公開されたヒューマン・アクション映画である。原作はナサニエル・フィルブリックの『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』。監督はロン・ハワード、主演はクリス・ヘムズワースが務める。
『白鯨のいた海』という邦題で公開される予定であったが、後に変更となった。



return目次へ戻る