GBのアームチェアCinema見ist:異動辞令は音楽隊!

異動辞令は音楽隊!

異動辞令は音楽隊!

監督 内田英治
脚本 内田英治
原案 内田英治 出演 阿部寛/清野菜名/磯村勇斗/高杉真宙/板橋駿谷/モトーラ世理奈/見上愛/岡部たかし/渋川清彦/酒向芳/六平直政/光石研/倍賞美津子
音楽 小林洋平
主題歌 Official髭男dism「Choral A」
製作 2022

三男坊のお誘いで午後から映画。
へぇ、キミこんなの観るんだ。と言う作品。
この時点では「顔の濃いおま〜りさんが制服着て太鼓叩く」作品という認識しかない。

さて、本日の作品。

書店の平置きに警官姿の阿部寛がドラム前にいるカバーの文庫を一寸前に見た。
ふうん、映画になるのか…
そう言えば劇場で予告観たよな。

と思っていたら、本作オリジナル脚本で文庫本はノベライズらしい。
なんでも監督がYouTubeで愛知県警音楽隊のフラッシュモブ動画を見てひらめいたらしい。
あぁ、そう言えば数年前にその動画見た事あるなぁ。(YouTubeへのUpは2016.6.22.)


この動画、演奏はともかくとしてフラッシュモブとしては余り面白くない動画だったが。
(選曲が良くないのか種明かしが早すぎるんだよな)

本編。ありがちな「下手くそが演奏できるようになってめでたし!」では無いのは良いね。
ここでワンポイント獲得。
逆に“よせあつめ”で“やるきがない”バンドの登場一発目の音が良すぎるのは一寸なぁ。
(多分、音は後入れのシエナウインドオーケストラの演奏。)
しかし、なにより、“音楽映画”としての最低条件=“少なくとも演奏しているように見える”ことはクリアしている。
どの役者も“ちゃんと指が動いている”。
劇場パンフによれば、寄りの画面も含めて吹き替え無し、なのだそうな。
全くの楽器未経験者である阿部寛もちゃんと練習してそれなりに叩けるようになったのだとか。
取り敢えず、それだけでも評価はかなり高い。

実は予告編を観た段階ではドタバタコメディだと思っていた。
そもそもタイトルがコメディだろ。

実はこれ、コメディ、サスペンス、ヒューマニズム、スポ根の結構シリアスな作品。
シリアスが故にちりばめられた多数の枝葉が回収されず中途半端になっていたのが消化不良を起こす。山場のアクションシーンも唐突且つ不自然。
ただ殺されるだけに出てきた人物も、何だか哀しいし。(その弔いのシーンは凄く良かったが。)
基本的に良作佳作だと思うが、ちょっと雑なところが目立つ。
成長物語とも言えるのだろうが、その課程が余りに端折りすぎ。

エンディングへの流れは「スウィングガールズ」。やっぱりこう言うシークエンスが必要なんだな、音楽映画には。
まぁ、吹奏楽経験者や音楽趣味の人は見ても損しない作品かな。
余り期待していなかったせいもあるが、私は本作結構好きだ。


カミさんは「磯村勇斗かわいいよね〜〜!」と言ってたので、ま、良いか。

三男坊はこの後更に映画のハシゴをしに行った。本日3本見る予定だそうな。
まにや度しがたし。

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