GBのアームチェアCinema見ist:劇場版 鋼の錬金術師
劇場版 鋼の錬金術師 〜 シャンバラを征く者 〜
監 督 水島精二
音 楽 大島ミチル
主 演 朴 路美
助 演 釘宮理恵/豊口めぐみ/大川透/内海賢二/かとうかずこ
製 作 年 2005
シナリオ 會川昇
原 作 荒川弘/スクエア・エニックス
2005.7.30.
金曜の晩、三男坊が「エーガ見たい、ポケモンでしょ、ガッシュでしょ、ロボッツでしょ、ハガレンでしょ…」とつぶやいた。
なんだよ、流石夏休みだな…
でも、ハガレンなら一寸観たいな、行くか?
…と言うことでいつものシネコンへ。
『ハガレン』とは大ヒット作品『鋼の錬金術師』(原作:荒川弘)を表す略称。
原作コミックは累計1500万部突破のベストセラーに、主題歌CDは常にチャート入りし、DVDも累計88万枚を突破するなど、『鋼の錬金術師』は幅広いジャンルでいわゆる「ハガレン現象」を巻き起こし、超ヒット作品となっている。
確かに面白い。
私は見ていない(そもそもTVを見ないので…)のだが、同様に高視聴率をマークし、このブームの火つけ役となったTVアニメの最終回では、主人公エルリック兄弟は現実世界と錬金術世界に離ればなれになってしまったのだと…
その後日談である。
時は第一次世界大戦敗戦後のドイツ。ナチスの台頭と陰謀に巻き込まれた錬金術師は…
原作を知らないとはっきり言って何が何だか分からないだろう。
何の説明もなく、既知の事実は吹っ飛ばして、登場人物がどんどん動き始めるし、また、アーリア人至上主義と怪しげなオカルティズムで民族を牽引しようとしたナチスという史実を知らないと話の深みも分からないかも知れない。
なんとカール・ハウスホーファー、ルドルス・ヘス、フリッツ・ラングまで出てくるのである。
子供にゃ、こんなマニアックな設定、分からんだろうなぁ…
つい小4のチビに真面目に説明してしまった…
いや、しかし、そんなことを抜きにしてもかなり面白い。これは傑作なのかも。
ロマ(ジプシー)の唄う歌(本作オリジナルらしい)が、本当にジプシー音楽風でかなり良い。
最近のアニメーションやゲームなど、作り手がマニアックで受け手もまたマニアックなので、並大抵の設定では駄目なのだろう。
時々思うのだが、活字離れ等とと言われて久しいが、クリエィティブな才能が「いなくなった」んではなくって、活字世界でないところで開花しているんではないかと。
昔なら文学青年、映画青年になる連中がゲームやアニメーションのクリエーターになってるんではないだろうか?
(そっちの方が活動の場が広いし、好きなこと出来そうだし…)
話戻って“鋼の錬金術師”これはオモロイ。
数日前にコミックス(単行本)の11巻が出ている。
ご用とお急ぎでない向きは是非ご一読を。
(私もTV版をレンタルしてきて全巻制覇しようかと…)
ところで、作者の荒川弘(あらかわひろむ)、何だか必死で隠しているようだが、実は女性なのである。
それを知って何だか凄く納得してしまった。
絵柄は完全少年漫画なのだが…
そう言われると、絵柄やストーリー、キャラクターの扱いなど、そこここに、ものすごく繊細な部分が感じられる。
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