GBのアームチェアCinema見ist:ファンタジア,ファンタジア/2000
ファンタジア:Fantasia
監 督 ベン・シャープスティーン
音 楽 レオポルド・ストコフスキー/フィラデルフィア管弦楽団
主 演 ディームズ・ティラー
助 演
製 作 年 1940/米
シナリオ ジョー・グラント/ディック・ヒューマー
ウォルト・ディズニー1940年の作品。
アニメーション史上、一二の名作と言う賛辞に異論のある方は少ないであろう。
“アニメーション”---動くはずのないものに命を吹き込む---と言う試みを芸術の域に高めた作品と敢えて言ってしまう。
最近4本のサウンド・トラックによるステレオフォニック・サウンド方式にし、画像も最新技術で手を加えたものとなっている。
8つの古典名曲を7つの部分に分けディズニーの動画が縦横無尽に展開する。
これを60年以上前に総天然色・立体音響で成し遂げたアメリカという国は、彼らの文化は、やはり並大抵ではない。
- トッカータとフーガ・ニ短調/バッハ(1685-1750)
- 組曲くるみ割り人形/チャイコフスキー(1840-1893)より6曲
- 金平糖の踊り(露の精)
- 中華民国の踊り(キノコの踊)
- 葦笛の踊り(開花のバレエ)
- アラビアの踊り(水のバレエ)
- ロシアの踊り(薊の少年と蘭の少女)
- 花のワルツ(秋の精、姫萩のバレエ、霜の精、雪の精)
- 「魔法使いの弟子」デュカ(1865-1935)
- 「春の祭典」ストラヴィンスキー(1882-1971)
- 「田園交響曲」ベートーヴェン(1770-1827)
- 「時の踊り」ポンキエリ(1834-1886)
- 「禿山の一夜」「アヴェ・マリア」ムソルグスキー(1839-1881)/シューベルト(1797-1828)
ファンタジア2000:Fantasia/2000
監 督 ドン・ハーン/ヘンデル・ブトイ
音 楽 ジェームズ・レヴァイン(シカゴ交響楽団)/レオポルド・ストコフスキー
主 演 ペン・ジレット他
助 演
製 作 年 1999/米
シナリオ
1940年の名作『ファンタジア』の“続編”と言った作品。
ミッキー・マウスの「魔法使い」も最新技術でリメイクされている。
製作総指揮はウォルト・ディズニーの甥で同カンパニー副会長のロイ・E・ディズニー。
作品は8部構成で
- 「交響曲第5番」(ベートーヴェン(1770-1827) /監督:ビショーテ・ハント)
- 「交響詩 ローマの松」(レスピーギ(1879-1936) /監督:ヘンデル・ブトイ)
- 「ラプソディー・イン・ブルー」(ガーシュイン(1898ー1937) /監督:エリック・ゴールドバーグ)
- 「ピアノ協奏曲第2番」(ショスタコーヴィッチ(1906-1975) /監督:ヘンデル・ブトイ)
- 「動物の謝肉祭」(サン=サーンス(1835-1921)/監督:エリック・ゴールドバーグ)
- 「魔法使いの弟子」(デュカ(1865-1935) /監督:ジェームズ・アルガー)
- 「威風堂々」(エルガー(1857-1934)/監督:フランシス・グレイバス)
- 「火の鳥」(ストラヴィンスキー(1882-1971)/監督:ポール&ゲイトン・ブリッツィ)
案内役も豪華でクインシー・ジョーンズやベッド・ミドラーも登場する。
『ファンタジア』は不朽の名作の誉れ高いが、それから60年。本作では流石のディズニーも台頭著しいジャパニメーションの影響を受けざるを得なかったのではないかという感を持ち、何となく感慨に耽ってしまうのである。
映像は美しく、そのクオリティもディズニーそのものの上質なものであるが、果たして甥っ子はオジサンの遺志を引き継げたのであろうか?
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