GBのアームチェアCinema見ist:8番出口
8番出口
8番出口
監督 川村元気
脚本 平瀬謙太朗/川村元気
出演 二宮和也/河内大和/浅沼成/花瀬琴音/小松菜奈
音楽 Yasutaka Nakata (CAPSULE)/網守将平
原作 KOTAKE CREATE『8番出口』
製作 2025
2025.8.30.鑑賞
「今日は初回上映だから。」
げげぇ、朝きっつぃなぁ…
いつものようにカミさんのお誘いで映画。三男も同行。
劇場ロビーは長蛇の列。
ん?又キメツか?
違った。
開場しているのは目的の作品のみ。
凄い人気なのか?流石だな。
いや、そうではなく、初回上映でモギリ(そもそもチケットがQRなのでモギらないが)が一人しかいないので入場処理が間に合わないのだな。
あ〜、ニノね。
等と侮ってはいけない。
何せ彼はかつてイーストウッドに認められた“俳優”なのだから。
なんか、地下通路を彷徨う話らしい。

結論から言おう。
私の中では、今年観た映画の最上位に位置する秀作だった。
特に前回の鑑賞で封切りを待っていたにも関わらず評価不能に近いヘボ映画を観てしまったので、あまり期待していなかった本作は輝いて見えた。
カンヌで賞を穫ったポスターと同じ、真っ黄色のタイトルにラベルのボレロが響く。
途中で流れるバッハのカンタータも実に良いタイミング。
そしてエッシャーのメビウス環の上の蟻のように永遠に続くかと思われるループの果ては…
自分を受け入れ、自分の感情を取り戻し現実のループを断ち切った“迷う男”。
おしまいはグッドエンド?
そして再び真っ黄色の画面に凝ったロールが映し出され、ボレロが響き渡る。
下手に金を掛けなくても素晴らしい映画は作れるという良い見本である。
“画期的”とか“斬新”と言う評価が結構あるが、いや、これは極めて古典的な、映画らしい映画である。
延々同じ“様な”画面を見せ続けられるが、決して飽きることはない。
朝一で眠かったので途中落ちるかと思ったが95分間(意外に短い)スクリーンから目が離せなかった。
嵐の人を見くびってはいけない。
カミさんはエンドロールのあの小さい文字の中から富山県立美術館と北日本新聞を発見した。
流石越中人。
しかし、色々調べたが富山県立美術館と北日本新聞がどう協力したのかは分からなかった。
(エッシャーでも展示しているのかと思ったが、そうでもなさそう。)
目次へ戻る