GBのアームチェアCinema見ist:団地
団地
監督 阪本順治
脚本 阪本順治
出演 藤山直美/岸部一徳/大楠道代/石橋蓮司/斎藤工
音楽 安川午朗
製作年 2016
何故か三男坊の強いリクエスト。
上映館が極めて少ない。
東京都内は
有楽町スバル座
新宿シネマカリテ
ユナイテッド・シネマとしまえん
楽天地シネマズ錦糸町
この4館のみ。
じゃ、久しぶりにスバル座へ行ってみるか。
何年振りだろう。そう言えば、イージーライダー封切りで見たのもここだったな。
一体何十年前なんだか…
館内に入り着席し、辺りを見回すと…
いやいやいや、見事にシルバー割や夫婦50割の客ばかり。
少なくとも若者はウチの息子位。こりゃ儲からんわ。
で、全く予備知識を入れないで見た。
斎藤工はともかく、藤山直美、岸部一徳、大楠道代、石橋蓮司の組み合わせだし、これは社会派哀愁喜劇…だとばかり思い込んでいた。
少なくとも中盤までは。
な…何なんだ?この映画は!
一体何が起こった?
何が言いたい??
岸部一徳、石橋蓮司、好きだなぁ。
役者達は余りに上手すぎるのだが、この物語は一体何だ?
団地という閉鎖社会で繰り広げられる悲喜交々、哀愁の黄昏夫婦の悲しみを湛えた生活…
って、違うだろ!
いやいやいや、この「何だ?」に一切触れられないのが悔しい。
劇場パンフレットにもこの「何だ?」は一切書かれていない。
何とも人を食った作品である。
シュールというかハチャメチャというか。
監督、やり放題だろ、これ。
好き嫌いは極端に分かれる作品だろう。
楽しめるかどうかも、かなり人を選ぶのではないかと…
あの結末を「むちゃくちゃしよるねんな!でもヤラレタ」と取るか「やりっ放しかい!ふざけるな」と取るか。
私?
う〜〜ん。
金返せ、とは言わないかな。
主役の4人が好きだし、良かったからね。
特に岸部一徳はイイネ。
この監督は天才なのか狂人なのか。
とにかく、監督のイメージを力ずくで押し倒し、ねじ伏せた感、と言うよりも…
哀愁に浸ろうとしていたらいきなり後ろから羽交い締めされて人間風車よろしく投げ飛ばされた感がある。
もし、ご覧になるのなら、この反則攻撃を受ける覚悟と、一切の予備知識は無しで、をお薦め。
人生の終わりが見えてきた年齢には、そうか、そう言う死生観もあるのか、と。
取り敢えずハッピーエンドだしね。
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