GBのアームチェアCinema見ist:チャップリンからの贈りもの

チャップリンからの贈りもの

チャップリンからの贈りもの(原題:La rancon de la gloire)

監督 グザビエ・ボーボワ
脚本 グザビエ・ボーボワ/エチエンヌ・コマール
出演者 ブノワ・ポールブールド/ロシュディ・ゼム/キアラ・マストロヤンニ/ピーター・コヨーテ/セリ・グマッシュ/ナディーン・ラバキー
音楽 ミシェル・ルグラン
製作年 2014・仏


ふぅん…
チャップリン誘拐事件ね。
死後、彼の遺体(棺)が盗難にあったというのは実話だそうな。
この映画は実際にあった事件をヒントにしたフィクション。

フランス映画らしい落ち着いた色調の画面で物語は始まる。
音楽は巨匠ミシェル・ルグラン。

いやいやいや…
もう全編ルグラン節、これぞフランス映画。
まるでシネマのテンプレートみたいだ。(いや、良い意味で)

大スペクタクルがある訳でも大悲劇がある訳でもないが、なんだかとても心に残る作品である。

あらすじはあちこちに露出しているのでことさらに書く気はないし、感想文に筋書きを記するのは好きではない。
が…
随所に挿入されたチャップリンの作品、そして見事なオマージュ。

FIN直前のラストシーンで不覚にも体が震え、一寸涙が出た。
それは特に悲しいとか感動とかそんな場面ではないのだが。

多分、チャップリン好きならこの気持ちは分かると思う。

ちなみにこの作品もエンドロールが終わって暗転してからエピローグが付いている。
夢、エンドロール中に席を立たぬよう。

タイトルだが、邦題は…まぁ、こんな物か?
はじめからハートウォーミング・コメディだぞ!と主張している。
原題La rancon de la gloireは正しい標記にならないが、JIS系ではC にセディーユがないので仕方がない。
栄光のranconとでも訳すか?

で、ranconって何だ?
と調べると
フランス語にはないという。
Wikipediaによると、フランス、オート=ノルマンディー地域圏、セーヌ=マリティーム県のコミューン。
1825年、サン=ワンドリールとランソンの2つのコミューンが合併して誕生した。
サン=ワンドリールとは、サン=ワンドリール・ド・フォンテネル修道院創設者である聖ワンドリール(fr)に由来する。
ランソンとは、川の名である。古い名はRosontioといい「roseau(fr、アシの種類)が生えている地」からきている。
9世紀、この地はヴァイキングによって荒らされた。修道士たちに課せられた身代金(rancon:cはセディーユ付)の記録から、Rossons、RessonsからRancon(cはセディーユ付)へと進化していったと説明されることがある。

ranconのcをセディーユ付きで辞書を引くと… 「身代金」そのものであった。


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