GBのアームチェアCinema見ist:BALLAD 名もなき恋のうた

BALLAD 名もなき恋のうた

BALLAD 名もなき恋のうた

監・脚本・VFX 山崎貴
脚 本 安達寛高/佐藤信介
音 楽 佐藤直紀
主題歌 alan(阿蘭)「BALLAD〜名もなき恋のうた〜」
出 演 草g剛/新垣結衣/武井証/筒井道隆/夏川結衣
製 作 年 2009 日本
VFXプロダクション 白組
企画・制作プロダクション ROBOT


アニメ映画“クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦”を原案とした作品である。
夏休みだったか、最初に予告編を観た時には、まさかあの“クレしん”の実写版だとは知らなかった。
草g剛と新垣結衣という組み合わせもなんだかなぁ…

まぁ、泥酔裸大暴れ逮捕事件が影響しなくて良かったね、クサナギ君程度の認識ではあったが…
(草gの“g:なぎ”:弓偏に剪…環境によっては見えないんだよね…JISに規定されてはいるが、俗に言う「機種依存文字」だから…
Windows環境の人ならShift-JIS:FA67で見えるのだが…。)

しかし、監督があの山崎貴、そして彼の親衛隊とも言える「三丁目」スタッフ総集結…
と聞いたら、これは一応観ないといけないだろう。

原案となった劇場用“クレしん”は絶賛を浴び、各賞を大量に獲得した名画なのだそうな。
観てないから知らないが…
なんでも、“クレしん”なのに泣ける…のだそうな。
観てないから知らないが…

BALLAD 名もなき恋のうた その程度の認識で「たかがアニメ映画の焼き直し」、でも“あの”「三丁目スタッフ」が結集して作った映画なのだから、期待は持てる。
なにしろ重箱の隅を精密ピンセットで再検討するような日本有数のヲタク集団だしな、三丁目スタッフ。
少なくとも映像表現に関しては、何らかの発見があるだろう。
そもそもが「たかがアニメ映画の焼き直し」だし、荒唐無稽なタイムスリップモノなので、余り多くを期待してはいなかった。

敢えて言えば「ツッコミだすと切りが無い」のだが、これはそんなリアルさを求める作品ではないだろう。
「映画にはリアリティが重要」だなんて、誰が言った?
そもそもが「マンガの焼き直し」の「荒唐無稽」なストーリーなのだから。
(ランクルFJ62は飛ぶし!このシーン安っぽくて好きだぁ!)


いや、でも本作には「充分なリアリティがある」んだな。
鑑賞者が感じ、そして求める「リアリティの質」はその作品ごとに違って然るべきだろう。

ご都合主義?
んなこと言った日にゃ、マンガは観られんがね!
(って、これはマンガではないが…)

BALLAD 名もなき恋のうた
草薙クンね…
いや、格好良いわ!
格好良すぎる位だわ。
敵役の大沢たかおもなかなかの大迫力だし、何より新垣が凛としていてよろしい!

なお、築城や合戦シーンなどは例によって極めて執拗な考証がなされているが、全編通して流血は一切無い。
家族連れ、子供でも安心してみられるようにと言う配慮だそうな。
しかし、飛び散る鮮血や転がる四肢がなくても充分に迫力は構成できるのだな。
特徴的な長回しカメラワークも悪くない。
お得意のCGも、かなり使われてはいるようだが「どうだ!この!」と技術をひけらかすような代物ではないところが非常によい。
脇を固める豪華キャストも凄いし…

BALLAD 名もなき恋のうた
プロット的にはいろいろと異論はあろうが…基本的にこの監督は「優しく温かい作品」を作り出す事が出来る才能を持っているのだろう。

これは期待以上の出来。
上出来のファミリー映画であろう。
(しかしなぁ…験担ぎもあるだろうけど…この人のタイトル何とかならんのか?)

しんちゃん役の武井証…
“今会いに行きます”の子だったんだ…



原案となった劇場用アニメ映画“クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦”は…
原作:臼井儀人、監督・脚本:原恵一。

原作者は先日不幸な最期を遂げられた。

合掌


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