GBのアームチェアCinema見ist:Avatar
アバター:Avatar
監 督 ジェームズ・キャメロン
脚 本 ジェームズ・キャメロン
音 楽 ジェームズ・ホーナー
出 演 シガニー・ウィーバー/ゾーイ・サルダナ/サム・ワーシントン/スティーヴン・ラング/ミシェル・ロドリゲス/ジョヴァンニ・リビシ
製 作 年 2009 米
3D前夜祭(先行上映)の席が二つ取れた。
仕事場からチビに連絡をして映画館直行。観てきた。
うむ…
長時間(プログラム3時間丁度、実上映時間161分)だが、これは劇場へ、それも出来れば3Dを選んで出向いても損はないと思う。
丁度夕食前、空腹時に3時間近い疑似立体映像、それもかなり速度感があろうと思われる映像を見続け気分が悪くなるのではないかと懸念したが、かなり抑え気味で、冷静な作りの3Dだったので杞憂であった。
(但し、高所恐怖症の方にはお奨め出来ないかも知れない。私も途中何カ所かかなり恐怖を感じた場面がある)
「3Dである必要性」を疑問視する評価もあるようだが…
これはこれでよろしいのではないか、と。
古くはディズニーランドのアトラクションだった、マイケル・ジャクソンの“キャプテン・EO”、その他の遊園地や恐竜展などでのアトラクションとしての3D映像。
それらは「飛び出す事が凄い!」を強調し、言ってみれば「非常に不自然な体験」を目指し、強いる。
画面から飛来物があると観客が一斉に避ける。客席に向かって伸ばされた脚の靴底が目の前にある…
そう言った立体映像を求めると、本作には失望感があるかも知れない。
しかしながら、この作品は落ち着いた、極めて控えめな表現で、「飛び出す事」に疲れることなく映画を観る事が出来る。
この映画はまず映画そのものを見せるための立体化なのだろう。
自ずと表現方法も変わってくるのだと思う。
それでも、画面上で手前に位置するモノ、フォーカスがあったモノを注視してしまいがちになり、スクリーン全貌を見逃してしまうと言う欠点はある。
また、眼鏡を掛けた身としては、3D用の偏光グラスは暗いし鬱陶しいし、決して快適と言えるモノではない。
ストーリーそのものは、白人が考えそうな白か黒、単純明快なモノだが、まあ悪くはない。
速度感もあり、飽きることなく3時間弱を過ごせた。
エンディングの後味も悪いモノではなかった。
脇役陣にも魅力的な人物がそろって、娯楽映画・アクションSFとしてはこれはなかなかなモノであろう。
しかし、伏線もなし、心底単純に善悪が色分けされた筋書きなので、物語展開に全く意外性がないのは、これは致し方ないのであろうか。
個人的には、ミシェル・ロドリゲスがふてぶてしく可愛くて気に入った。
その昔、パンツいっちょで凛々しくエイリアンと戦ったリプリーが年老いてしまったのが哀しかったが…
「飛び出すかどうか」は別としても、翼竜の飛翔が素晴らしい。
空を埋め尽くす翼竜がスクリーン狭しと飛び交うクライマックスが圧巻。
もちろん、そこには強烈なキャラクターを持った敵役が配置されているからでもあるが。
流石はキャメロン、健在である。
この作品は是非大スクリーンで観たいものである。
最初は気持ちが悪かった先住民ナヴィの風体も、いつの間にかヒロインのネイティリが可愛く見える位になっていたのが不思議である。
お話そのものには全く目新しさはないし、監督ご自慢の世界観とその景観も、実はどれもどこかで観たような既視感溢れるモノばかり。
そう、それらは、すでにとうの昔、どこかで…と言うよりも、日本のアニメーターやゲーム制作者達が作り上げてしまっている風景の二番煎じなのである。
が…
しかし、映画としてみれば、これは完成度が高い、流石はキャメロンと言わざるを得ない質の高いアクションSFだ、と言っても良いだろう。
目次へ戻る