GBのアームチェアCinema見ist:アリータ: バトル・エンジェル

Alita

アリータ: バトル・エンジェル(原題 Alita: Battle Angel)

監 督 ロバート・ロドリゲス
出 演
ローサ・サラザール/クリストフ・ヴァルツ/ジェニファー・コネリー/マハーシャラ・アリ/エド・スクライン/ジャッキー・アール・ヘイリー/キーアン・ジョンソン
脚 本 ジェームズ・キャメロン/レータ・カログリディス/ロバート・ロドリゲス
音 楽 ジャンキーXL
原作 木城ゆきと『銃夢』
製作年 2018
製作国 米

「アバター」「タイタニック」で世界中を興奮の渦に巻き込んだハリウッドの巨匠ジェームズ・キャメロンが惚れ込み、25年もの構想を経て、木城ゆきとによる日本のSFマンガ「銃夢」をついに実写映画化。そのキャメロンにメガホンを託された「シン・シティ」のロバート・ロドリゲスによる「アリータ:バトル・エンジェル」が、2月22日より全国で公開される。
まぁ、随分あちこちで宣伝しているが、さて、どの位当たるかなぁ?
監督はキャメロンじゃなくって、弟子?だし。
私はとにかくこの原作が好きなので、迷わず見に行くが…

木城ゆきとの漫画『銃夢』は、集英社『ビジネスジャンプ』に1991年から1995年にかけて連載されたSF漫画作品である。この作品の英語版が刊行される際、主人公の少女「ガリィ(Gally)」の名は、英語では「不毛」などの意味になりイメージが良くないと判断されて「Alita」と改められ、『Battle Angel Alita』のタイトルで刊行された。

だからぁ!
ガリィだって、何度言えば…
いや、ヨーコかもしれんて。

『漫画の核心の部分が、見事に継承されていたと思いました。見かけだけではなく、キャラクターの心の動きや存在理由といったものも含めて、ちゃんと映画で反映されていて、非常に嬉しかったです」と最大限の称賛。ビジュアルと共に、木城がアイアンシティのセットを訪れた様子を収めた映像も公開されており、「理解していない人が作ると、クズ鉄町はただ陰惨で暗く危険なイメージのディストピアになってしまう」という木城は、「僕がクズ鉄町でなにを描きたかったのかちゃんとわかっている……!! 映画のアイアンシティはめっさ楽しそう! 自分も住みたい!」と笑顔の理由を明かしている。』
と語っている。

完成した映画がCGかそうでないか、どんな高度な手法を使って具現化されたか、そんな話は“はっきり言ってど〜でもいい”のである。
原作者が絶賛する舞台装置、それはそれでかなり楽しみではある。
が、何より大事なのは、原作“銃夢”が持つあの哀しさと希望がどれだけ映像に落とし込めているか、なのである。
機甲術(パンツァークンスト)と呼ばれる失われた格闘術の使い手、最強兵器であるサイボーグ役を演じているローサ・サラザールがCGI加工され、巨大な目になっている事も一つの話題。
ちょっと見、気持ちが悪いのだが…
う〜〜ん…余り好みの顔では無いし、イメージも違う。
そもそも何枚かの写真、同じ人には見えない。
大体、タコクチじゃないし。
でも、原作大ファンとしては満を持して観に行くのだけどね。

と言う訳で、初回一番上映観てきた。

客の数は…10数人。
まぁ平日朝一じゃこんな物か。
はっきり言って私より爺ぃが数人。30年来の原作ファン?なんだろうなぁ。

20th.SENTURY FOX、例のオープニングの金色の土台が廃墟になり26th.に変わる。
こういうの好きだな。そう言ゃぁ、ボヘミアンの時はジングルが金管ではなくディストーションギターだった。

さて、こちらも30年来の原作ファン。期待と不安を持って銀幕に臨む。
う〜ん…Dr. Dyson Ido(イド・ダイスケ)は、もう少し優しそうな風貌が良いかなぁ。
優しさに秘めた狂気ってキャラだしなぁ。
ピグマリオン指向はなかなか出ていて良かったが。

ディスティ・ノヴァ教授は…格好良すぎるし、ゴーグル外すの早すぎ。
あのヘンタイ的いやらしさが…多分まだ出ない。

コヨミが既に妙齢じゃ、この後どうするんだ?
って、ネタバラしをすると、エンディングは明らかに“To Be Continued...”

いや、当たると良いな、当たって欲しいな。
話が前後したが、ガリィ:アリータのCG合成の巨大な目は…観ているウチに慣れる。
その他にも、あぁ、こいつもこいつも馴染みがあるぞ、と言うメンバーが続々登場。
登場人物は原作とかつて製作されたOVAオリジナルも含まれる。
それぞれがかなりの再現度で嬉しい。
それらの重要キャラクターの多くが顔見せだけで終わっていると言う事は、もう、完全に続編ありの作りだ。

ファンとしては、これだけ世界観の再現をしてくれれば充分満足。

アクションも素晴らしいし、モーターボールのシーンではゾクゾクしちゃったぞ。

全体的に明るい画面作りなのも好感大である。
下層スラムのクズ鉄町を重く暗い雰囲気にしなかったのは作者の見識だろう。
20世紀のSFでは、階層構造世界の下層スラムを暗く不潔に描くのは常套となっているが、銃夢に登場するクズ鉄町は貧しくとも希望のある場所なのだ。

殺戮の天使は舞い降りた。

たびたび繰り返されるガリィ:アリータの“I was who?”のセリフも良い。
原作のエンディングで「あぁ、これは良き行いをしたサイボーグのハッピーエンド、ピノキオ物語なんだ」と思った物だが、実写版のアリータにも幸福なピノキオになって欲しいと思ったのである。

原作ファンなら、取り敢えず観とけ!
そして、続編が作られる事を期待せよ。


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