GBのアームチェアCinema見ist:今度は愛妻家
今度は愛妻家
監 督 行定勲
出 演 豊川悦司/薬師丸ひろ子/水川あさみ/濱田岳/城田優/井川遥/石橋蓮司/津田寛治/奥貫薫
脚 本 伊東ちひろ
音 楽 めいなCo.
挿入歌 井上陽水「夢の中へ」
主題歌 井上陽水「赤い目のクラウン」
原 作 中谷まゆみ
製 作 年 2009
日曜の朝起きたらカミさんが、観に行こうと。
昨年、劇場で予告を見て一寸気になっていた。
どうしようかなと思っていたら、あちこちからギリギリネタバレ寸止めの情報が…
いや、単純な中年夫婦のラブストーリーだと思ってたのね。
幸か不幸か盆と正月以外殆どTVを見ないので気が付かなかったのだが…
TVのスポットで結構ギリギリまでのネタバレをしてしまっているそうな。
逆に言うと、それらの「ネタバレ」はあってもそれほど映画鑑賞には…結果的には影響はないかも知れない。
その「大ネタ・ネタバレ」以上に予想外の展開があるから。
影響ない程度にちらりネタバラしをすると…
鑑賞前のカミさん情報「ゴーストみたいなストーリーらしいよ」
ふむふむ…
いや、むしろ、M.ナイト・シャマランだろ?
多分、そんな先行情報を持たなくとも最初の数十分で「仕掛けは見えてしまう」だろう。
主人公が最初に鬼子母神境内を歩くシーンで非常に不自然なシークエンスがあるし。
まぁ、そんな事はどうでもよろしい。
取り敢えず感想を述べてしまうと、前半だけなら文句なしの傑作。
「説明として」必要なシークエンスではあるが、邦画としては長尺の後半部分殆どが少々くどく、グダグダ状態だったのが非常に惜しい。
が…その後半部分、登場人物が全て良い。
もちろん薬師丸はしわが出た顔も含めてとても素敵でキュートで素敵な女性だし、脇役陣も素晴らしい。
特に石橋漣司(この人は大好き)がとんでもなく良い。
役柄、演技共にケチの付けようがない。
本作はだらしなさとスケベ全開のダメダメ男豊川悦司と年増でも可愛い薬師丸ひろ子と言う主役のキャスティングがあってこそ成立した映画だが、石橋漣司の助演無くしては完成しなかった、と思う。
薬師丸ひろ子は、いい歳して(失礼)、とても可愛い。実際、若い頃より数段愛らしい。
原田知世と同世代の人気を争ったが、当時個人的には原田の方が可愛いと思っていた。
今でも、と言うか今の方が可愛いと思うが…
それ以上に薬師丸は甲羅を経てとてつもなくいい女になった。
大ネタを明かしてからのラストの夫婦のシーンが潔く美しかった。
薬師丸ファンは、これは必見作品だろう。
さぁ、悲しいでしょう、と言わんばかりの演出…ではないのと、登場人物全てが「いいひとだった」のがエンドロール後の気持ちよさにつながってくるのだと思う。
現実社会で「全部がいいひと」などと言う事はまずないのだから、フィクションの世界位はそう言う状況に浸らせて貰いたいと…
めいなCo.(あの“ガラクタ通りのスティン”の音楽担当)の劇伴は少々悲しげが臭すぎたような気もするが…
それにしても、予想していなかっただけに、この映画の展開には驚かされた。手法としては完全に「古臭い」と言ってしまっても良いのだがいや、やられましたな。
いや、ご同輩、奥様は大切にしなければなりませんぞ。
♪さがしものはなんですか…?
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