切り抜き

 私の最近の趣味(?)と言えば、切り抜きである。たまに新聞以外のものも
切り抜くが主に新聞を切り抜いている。新聞を切り抜き、台紙にべ夕べタ
貼っていく。結構、気分転換にもなり楽しいものである。数年前に始め、ま
だ三年位であるが、自分としては珍しく続いている。

 以前、十年位前にも切り抜きを集めたことがあった。この時は、切り取っ
て、袋に入れておくものであったが、長続きしなかった。原因は三つ位ある。
一つは、新聞を鋏で切り取るのが面倒なことである。いい記事があって切り
抜こうかと思ったときに鋏が手元になく、つい億劫になる。二つめは、切り
取った記事に出典を書くのが面倒なことである。まるまる新聞と書くのが面
倒なのである。三つ目は、切り取った記事を袋に入れていたのだが、袋に整
理して入れてあったわけではないので、後から見ようとした時、乱雑になっ
ていて、見る気がなくなることである。後から、続かなかった原因を分析し
てみると以上の三点であった。どれもこれも簡単なことばかりで、こんなこ
とを面倒だと言うのかと呆れ返る人もいるかと思う。しかし、何かが嫌にな
るのは、たいがい些細なことからではなかろうか。
 現在、続いている理由は以上の三点を解消したことによる。まず、切り抜
くのが面倒については、その場で鋏で切り抜くのを止め、欲しいところを破
くことにした。後で整理するときに鋏できれいにすることにした。ニつ目は
まるまる新聞の文字を全部書くのを止め、頭文字をアルファベット一文字で
書くだけにした。三つ目は記事を大体日付けの順に台紙に貼ることにした。
これで見やすくなった。分野別に更に分けて貼ると良いのだが、そこまでや
るとまた面倒になり止めたくなってしまうのでしていない。

 今まで集めたものを見ているとおもしろいことに気付く。つまり、今ある
記事は特に目的をもって集めたものでなく、その時その時で興味を待ったも
のを集めているため、社会の動きというより、自分の興味の動きが分かって
くるのである。ちなみに、今までに一番多い記事は、高温超伝導であった。
新聞の切り抜きは、自分を知るためにもおもしろいものである。

 最後に、とっておきのコツを言っておきたい。最初、私も興味を待った記
事全てを切り抜こうとしたが、そうするとあまりにも多く嫌になったことが
あった。そのため、今は本当に興味を待ったものしか切り抜かないことにし
た。すなわち、切り抜きを続ける最大のコツは、切り抜かないことにあるの
である。